明晰夢
□白い花 〈完〉
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「さーぁ、ソコに座って〜。」
「は・・・、はぁ・・・。」
言われた通り風呂に入って姉ちゃんの部屋に行くと、予想した通り・・・
「またそれか・・・。」
姉ちゃんの変わった趣味の1つ。占い道具がならんでいた。
「何でそうなるんだよ・・・。俺はただ、女子がプレゼントで貰って嬉しい物が何か知りたいだけなのに。」
「いいから座って!」
タロットカードが綺麗にならべてある床の上に俺は座った。
「さ、1つカードを選んで。」
「はー・・・。」
溜息に近い声を上げて、1番手元にあるカードを選ぶ。
「んじゃ、これで。」
「ほーい。」
姉ちゃんがカードをきってるうちに、俺は床にゴロンと寝ころんだ。
――――― さーて、今年は何をあげよう・・・。
去年はたしかおそろいのマフラー。
その前は・・・、ネックレスだっけ。
「んー・・・、なぁ、姉ちゃん。そろそろアイディア教えてくれよ。」
勢いをつけて起き上がると、姉ちゃんが1つのカードを持ち、固まっていた。
「あ、出たの?どうだった、俺の運勢・・・。」
カードを取ろうと、身を乗り出す。
カードに手が触れる、その瞬間・・・
「やめろ!!!」
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