明晰夢
□コこロ・・・ 〈完〉
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あれから10年。
あの少年も成長して、「少年」なんていえないわ。
でも、私はまだ彼の名前を知らないの。
そういえば、私の名前はなんだったかしら?
ノ・・・、ル・・・。
もう思い出せない・・・。
だって、あの10年前から、彼は私の名前を呼んでくれないもの・・・。
でも、この間に私には友達ができたわ。
名前も知らないけど、きっと女の子ね。
銀色の服を着た、背の高い女の子。
その子は私を見て言うの。
「どうせあなたも、私達と一緒よ。」
意味なんて知らない。
知ろうとも思わないわ。
あなた達と一緒なんて、ありえないもの・・・。
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