明晰夢
□憂鬱な月曜日 【完】
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ユキはたれぱんだな姿勢のまま、「ちぇー」と口を尖らせる。
「アイちゃんよぉ、朝っぱらから単語帳と睨めっことか趣味悪いよー。そんな必死にならんでも、あんたはいい点取れるよ、うん」
「単語帳と睨めっこする趣味なんかないけど、私も今回ヤバイんだよね。土日勉強全然してないし」
私は溜め息をつきながら単語帳のページをペラペラとめくった。
確かにさっきから単語帳を眺めてはいるけど、面白いくらい頭に入ってこない。
単語くらい、当日の朝に見ればいいやとか思ってた私、馬鹿……。
「あーヤダヤダ。『あたし勉強してなーい』って言う人ほど家でガリ勉してるんだよねー。もう、ユキお婆ちゃんは悲しいよ」
「……いつから婆さんになったの、あんたは。…ていうか、本当だし。今回は本当に勉強してないよ」
「『今回は』ってことは、今までのテストは『勉強してなーい☆』と言いつつ勉強してたんだね、この裏切り者……。いいもん、あたしの『超勉強した!』はアイちゃんの『勉強してなーい』と同レベだもん、どうせ」
……面倒くさいな、こいつ。