明晰夢

□憂鬱な月曜日 【完】
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「……ってことは、ユキは超勉強してきたんでしょ?ならいいじゃん」


「してきたわけないだろ、このボケナス」





……なんなの、この人。


「してきたわけない」って、そんなに強く言い切ることじゃないよそれは。

ノー勉を正当化しようとするな!


「……しようと思ったんだよ。でもさ、いざ机に教科書広げたら、やる気がスコーンとどっかに抜け落ちていくんだよね。わかる?この感じ。で、土日2日間あるから、そのうち1日は寝ててもいいかなって思えてきちゃうんだよ。そしたらさ、いつの間にか土曜日は終わっててさ、日曜日になったらなったで、なんかイマイチやる気出ないしさ。もういいや、次のテスト頑張ろーってなっちゃうわけだよ。でも結局その次のテストも、また次頑張ろーって捨てちゃうんだよねー……何だろうねこれ、負のスパイラルってやつ?だからさ……」

「うんわかった、また次頑張るんだよね。わかったからそのテンションいい加減どうにかして」


私は単語帳を閉じて鞄にしまった。

毎回のことでいい加減私も慣れろって話だけど、


なんでこの子は月曜日の朝、こんなに卑屈になるのかな……まったく。


 
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