明晰夢
□憂鬱な月曜日 【完】
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ちょうどその時、教室のドアが開いて、先生が入って来た。
ユキぱんだは、心底だるそうな顔をしながらむっくりと起き上がる。
「……アイちゃん」
先生が、眠そうな生徒たちに励ましの言葉をかける中、ユキが口を開いた。
「何」
「ぐっどらっく」
目の前には、ユキの力の無い笑顔。
その表情にあまりにもマッチする「グッドラック」の棒読み加減に、私もつい笑ってしまった。
「ユキもね。赤点王にはならないように」
「……承知」
憂鬱で、ちょっと可笑しい月曜日。
今日からまた、私たちの1週間が始まる。
ずっとずっと、エンドレスに。
Fin.