明晰夢
□包帯 〈完〉
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その姿は僕の思い描く通り血まみれで、
これで下に行こうと足を踏み出す。
けど・・・
「足りない、かなぁ・・・？」
だって、僕はこんなにも血まみれだけど、
全く以て元気なんだから。
ちょっと考えたけど、なかなかいい案がでてこなくて、
しょうがなく手の爪を剥がしてみる。
・・・でも、足りない。
骨を折ってみる。
足りない。
目を抉ってみる。
足りない。
だって僕はぜんぜん痛くないんだもん。
どうしたって痛みを感じない。
お母さんはちょっと指を切っただけで痛いと叫ぶのに。
どうして僕は痛みを感じないのかな？
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