戦国BASARA

□確かに
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「ねぇ鬼の旦那??」


「あァ??なんだよ。」


「夜咲サンってどんな人??」


「ハァ??な、なんで俺に聞くんだよ。」


「近所に、住んでるんでしょ??」


「・・・誰から聞いた。」


「夜咲サン本人から聞いたんだよ。今日長曾我部の旦那が遅れてくるってのもね。なんで知ってるの?って聞いたら近所に住んでるから、って。」


「そうか。」


「ね、どんな人なの??」


「ンなの直接聞きゃいいじゃねェか。」


「まぁ・・・いいじゃないの〜。」


「・・・いい奴なんじゃねェの??俺も話した事あんまりねェからわかんねぇよ。」


「・・・あっそう。」


「どうでもいいけどよォ、・・夜咲には手出すなよ??」


「え、それどう言う意味??」


「・・・なんでもねェよ。」



鬼の旦那はしまった、ってな顔をしながら顔を逸らして教室から出て行った。

あ、もう放課後じゃん。旦那何してんだろ。教室迎えに行かなくちゃだなぁ。




****




「あれ、竜の旦那、真田の旦那知らない??」


「Ah??真田なら武田teacherの所に行ったぜ。」


「えーマジ??あれじゃぁ時間かかるなぁ・・・」


「先帰っててもいいってよ。」


「あー・・・じゃぁそうしよ・・・ι」



荷物取りに行くついでに課題プリント持って帰るの忘れないようにしよう。


真田の旦那のクラスの教室と俺様のクラスは階が違う。真田の旦那のクラスの教室は俺様のクラスより1階上。

だから荷物持っていっても持って行かなくっても同じ。

旦那が帰るとき俺様の事迎えに来てくれれば一番助かるんだけどね。



今日も夜咲さん居るかなー??

って考えながら教室に入ると彼女は居た。

昨日に引き続き日誌を書いてるみたいだった。



「夜咲、サン??」


「・・・・何。」


「あ、喋った!!」


「何って聞いてるんだけど。」


「あ、あぁ、ごめんね。今日も日誌書いてるのかなー??と思って。」



夜咲さんだったら休み時間とかに書き終わっちゃうと思うんだけどな。



「日誌全行書かないとやり直しになるから。」


「浅井の旦那でしょ?その班大変だよね。」



先生に出したやつを翌日班長の浅井の旦那が見る形になってる。浅井の旦那の班限定で。

他の班はそんな面倒な事しないしやろうとも思わないでしょ。



「そう言えば、さ。」


「・・・何。」


「昨日の会話、聞いちゃったんだけど・・・。」


「・・・。」



夜咲さんの前の席に腰掛けて話すと夜咲さんは一瞬驚いてたけどすぐにいつもの顔に戻ってあっそう。と短く答えた。



「鬼の旦那とまさか仲よかったとはね。」


「悪い??」


「悪くないけどね。」


「・・・・・・。」


「ねぇ夜咲さん。」


「・・・・。」


「何でみんなの前では黙ってるの??クラス嫌い??」


「楽しくない。それだけ」


「鬼の旦那とは??」


「チカは別。小さい頃から一緒に居るから。」


「幼馴染、だもんね。」



そう言うとペンがピタリと止まった。



「昨日の話聞いてたんだっけ。」


「うん。ごめんね。」


「いいけど。他の人には言わないで。チカには迷惑かけたくないの。」



悲しそうな目をして夜咲さんは言った。

きっと鬼の旦那の事大事に思ってるんだろうな、って一目でわかる。



「チカは私の事見捨てなかったから、救ってくれたから。」


「そっか。」


「優しい人が損をする世界なんて、私はその輪の中に入りたくないの。」



優しさも度が過ぎればただのお人好し。

お人好しは利用されるだけ。それが今の世界だから彼女は自らその輪の中に入らないらしい。


鬼の旦那に迷惑かけたくないんだって。

夜咲さんこそ優しいんじゃないかな。



「ねぇこの事誰にも言わないからさ、条件つけていい??」



ごめんね夜咲さん、俺は2人みたいに優しい人間じゃないからそう言うヤサシイ人を利用しちゃうんだ。

それにね、夜咲さんの事もっと知りたいって思う自分が居るんだ。



「誰にも言わない。代わりに俺様に勉強教えてよ。」


「勉強??」


「そう。夜咲さん首席でしょ??俺様そろそろ成績ヤバイんだよね。サボったりしてるからさ。」



自業自得でしょ。なんて顔をされたが見なかったことにしよう。



「授業料は一教科につきアイス1個でいいんでしょ??」


「それはチカだけ。」


「え、じゃぁ何か他にあるの??」


「・・・・アイスはチカから貰うからいいや。私猿飛君の手料理が食べたいんだけど。」


「俺様の??」


「チカがいつも自慢してくる。猿飛君の料理は美味いんだ、って。」



そう言えば鬼の旦那よく俺様の家に遊びに来てそのままご飯食べたり泊まったりするからねぇ。



「へぇ・・・。」


「チカが自慢する事じゃないのに。」


「確かにね。」


「俺様の事認めてくれた感じ??」


「他の人より面白いと思っただけ。あと髪の毛の色が気に入ったの。」


「そんな理由??」


「悪い??」


「別に悪くないけど・・・。」


「じゃぁいつでもいいから暇なときチカにでもメールして。」


「夜咲さんのアド知りたいんだけど。」


「ダメ。」


「えー。」


「じゃぁね。」


「うん、じゃぁね、夜咲さん。」



引き寄せて離さない。不思議で厄介な人に恋してしまったのかも知れない。

鬼の旦那に言ったら笑われるかな。



何も知らない竜の旦那とか真田の旦那に言ったら笑われるかな。

でももう引き返せないところまで来ちゃった気がするんだ。

例え夜咲さんが鬼の旦那の事幼馴染以外の感情で好きだとしても俺様諦められないかも知れないな。









































確かに恋だった













































(お邪魔しまーすってここ鬼の旦那の家じゃん。)


(私の家なんて入れないけど??)


(って言うかこんな自由に出入りしちゃっていいわけ??)


(あたしの家、隣の部屋。二人共一人暮らしだから。合鍵も貰ってる。)


((そんなに仲いいんだ・・・))


(おぅユメ、よく来たn・・・・)


(やっほ、鬼の旦那♪お邪魔させてもらってるよ。)


(猿!?何でテメェが此処に居やがる!!)


(私の教え子。チカと一緒に勉強したいんだって。)


((なんか違うけど・・・)まぁそんな感じ。)


(はぁ・・・・(面倒な奴が来たもんだ・・・。))





Title by:確かに恋だった

FIN
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