愛桜―アイザクラ―

□第四幕
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「まだちょっと寒いな・・・・」


「夜だしね。」


「お前等情けねぇなぁ・・・」


「新さんとは体のつくりが違うんだよ。」


「言ったな髏輝!」


「俺は髏輝に賛成だけどな〜。新八っつぁんぜってぇ殺しても死なないって。」


「風邪は引くかもしれないけどね。」


「なんだと総司!俺が馬鹿だって言いてぇのか!」


「新さん腹出して寝てそうだしな。」


「今度寝てる間にその自慢の体にでも落書きしてやるよ新八っつぁん。」


「お前なんかに隙は見せねぇよ坊ちゃん。」


「んだと!?」


「はははっ!相変わらず皆仲がいなぁ。」


『これのどこが仲がいいって言うんですか・・・。』


「む?そうかい??」


「にしても会津藩遅いですね。もう先行きませんか近藤さん。」


「僕もそれに賛成かな。どうせ会津藩が来た所で確かな戦力になるとも限りませんし。増援が来たとしても手柄横取り・・・とかあったりして。」


「それ一番嫌だよなぁ・・・。新八っつぁんに飯取られるくらい嫌だ。」


「案外小さいな」


「うるっさいな髏輝!俺にとっては両方ともそれくらい嫌なの!」


「はいはい・・・」


「だけどよ、この人数で討ち入り出来るとは限らねぇよな。こっちは明らかに人手不足だ。仲間は多いに越した事はねぇだろ?」


「まぁ新さんの言う通りなんだけどさ・・・。」


「多いだけで邪魔になる可能性も出てきますよね。そしたら僕が殺すけど。」


「冗談よせ総司。一応仲間なんだ。冗談でも言っちゃいけないさ。な??」


「分かってるよ。」


「冗談として受け流せる髏輝がすげぇよ・・・」


「冗談じゃなきゃ俺が総司のこと絞めてる。」


「髏輝に出来るの??」


「・・・・・・・やるか??」



背に差してある大太刀の柄を握りながらニタリと笑った髏輝に対し総司も口角を吊り上げ楽しそうに笑っていたが両者とも目が本気で殺気は二人の体からあふれ出ていた。



「・・・・・・。」


「?髏輝??」



大太刀を背から抜刀しようと構えていた髏輝だったが不意に右目を覆うように右手を翳した。

今では髏輝の癖のようになってきて皆もその行動が馴染むようになってきてしまった。



「髏輝、目・・・」


「痒かっただけだから心配ないよ。」


「やめろお前等!目が笑ってねぇんだよ!」


「「やだなぁ新(新八)さん、冗談に決まってるじゃないですか。なぁ総司?(ねぇ髏輝?)」」


「お前等なぁ・・・・」


「でも髏輝と総司がマジでやりあってるところちょっと見てみたいかもな。」



ポツリと呟いた平助に新八もまぁな。と頷いたが当の本人等は微妙な面持ちをしていた。



「まぁ冗談だから気にすんなよ。私闘は切腹だからな。」


「お前等二人が一緒に居なくなっちまうのは新選組の戦力低下決定だからな。それは避けろ!」


「なんか僕らがただの兵器って感じじゃないですか、それじゃぁ。」


「まぁ新選組の役に立てるなら兵器でも殺人鬼でもなんでもいいけど。」


「僕も同じ意見かな。近藤さんの役に立てるならそれでいいや。」


「嬉しいこと言ってくれるな二人共!」


「ってかそろそろマジでやばくないですか近藤さん。敵、逃げちゃいますよ。」


「うむ・・・仕方がない、只今より新選組池田屋に討ち入り致す!皆の者、生きてまた会おう!!」


「了解。」


「よっしゃ行くぜ〜!」


「足引っ張んなよ、平助。」


「楽しくなりそうだね。」


「いざ!!」



近藤を筆頭に池田屋討ち入りを決行した。





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