戦国BASARA
□互いが居れば
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「ゅ、きむら。」
朝早く起きて一人で朝稽古していると縁側から声が聞こえた。
まだ日も出てなく薄暗いが声の主は直に分かった。
「どうしたのだ??ユメ殿。」
「ぇ・・・ぁ!ごめんね。聞こえちゃったかー・・・邪魔しちゃったね。」
苦笑いしながら答えるユメ殿はあまりにも可愛らしく思わず顔を逸らしてしまった。
ユメ殿の前で朝稽古をするのはすこし恥ずかしいので早々切り上げてユメ殿の隣に座った。
「ユメ殿、いつからそこに??」
「大分前から居たよ。幸村集中してて全然気が付かなかったからずっと見てたの。」
「そ、そうであったか・・・」
なにやらずっと見られてたと思うと恥ずかしいでござる・・・。
「こんな朝早くから修行なんてしてるんだからお昼寝しちゃうんだよ。
それで佐助に怒られるんだもん。」
「しかし、朝から体を動かさないといざと言う時に動けんのだ。」
「・・・・それは・・・」
「??」
「・・・お館様の為なの??それとも自分のため??世界の為??」
「ユメ殿・・・??」
「・・・ぁっ!!ごめん、なんでもないや・・・じゃぁ、ね。」
小さく手を振ってユメ殿は自室へ歩き出した。
誰のため??
何のため??
強くなることは誰のため??何の為??
ユメ殿が言った事が妙に頭の中に残って突っかかりを作った。
お館様の為でも勿論ある。
だが平和な国にしたいと言うのもある。
しかし、己のためでもある。
・・・む??全てが繋がってしまったでござる・・・。
ユメ殿の言う事は良く分からないがユメ殿が悲しそうにしていたからなんとしてでも答えを見つけなければいけない気がした。
「強さとは・・・何なのだ・・・??某は何のために戦うのだ・・・??」
お館様の天下取り?
戦のない国を作るため??
ユメ殿を守るため??
戦のない国を作るためには戦で終わらせることしか出来ぬのか??
お館様が天下を取るために戦をしなくてはならぬのか??
ユメ殿を守るために敵となるものは倒すのか??
己の力のために武田の敵となるものを倒し経験を積むのか??
朝日が出始めて辺りが明るくなり某も自室へ戻った。