戦国BASARA

□困惑
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月が全てを支配しているとき俺は忍として隠密の仕事をする。

昼は戦以外段なの世話をしているから忍の仕事は偵察くらいだ。

ある日、武田の紅一点で武士のユメちゃんに淡々と言われた。



「ねぇ、忍ってさ、他の奴等を欺くのが仕事なんでしょ??」



その言葉に内心驚きもしたし、どうしてそんな事聞くのかが気になった。

ユメちゃんは強い。

最近魔王が大きく動き出したのを待ってましたと言わんばかりにどんどん名を上げていった。

昔から居たのは知っているけど目立たず、強いな、なんて感じたことがなかった。

ユメちゃんとは全然話したことないし、今もきっと俺の名前なんて知らないんだろうな。



「ねぇあんたもいつかは武田を騙すんでしょ??今居るあんたは〔ニセモノ〕なんでしょ??」



相変わらず淡々と話すユメちゃんは可愛いんだけど男勝りでさらりと凄いことを言った。

俺にはその一言が酷く胸に突き刺さった気がした。

確かに忍は人を騙すために本心は見せない。

本心を見せたら自ら隙を作ることになる。

じゃぁ一体昼の俺は誰なんだ??忍としての俺??

俺は武田を騙しているのか??旦那をも騙しているのか??



「・・・別に何が言いたいって訳じゃないけど昼、真田殿と仲良くやってるあんたが忍なのかあんたなのか気になってね。」



言葉が返せない。

さっきから痛い所を突かれてる。

勿論、忍としてだよ。って普通は言うべきところなんだろうけど、言えない。

本心だよ。って言ったら忍として言っちゃいけない気がする。



「・・・あんたは、誰なんだ??」



真剣な顔をして当たり前のような事を問われた。

俺は猿飛佐助だよ、今は。

昼は・・・



「わからないんだよね。」


「・・・どうでもいいけど、忍じゃない奴等のことも少しでいいから考えてあげなよ。

信頼してんじゃないの、真田殿やお館様はあんたのこと。」



そう言いながらユメちゃんはスタスタと自室に足を運んだ。



「わっかんないなぁ。」


俺にどうしろって言いたいの??ユメちゃん。

もっと忍らしくしろって???はっきりしろって??武田の皆、旦那やお館様を騙すなって??

もうよくわかんないや。

考えれば考えるほど分かんなくなってくるね。






―――



何故か、昼の猿飛佐助を見たとき悲しさが胸の奥から込み上げてきた。

それが本当に悲しいと言う感情だったのかは分からない。

どうして悲しく感じたのかも分からない。

だけど、悲しさと切なさと悔しさが混ざったようななんとも言えない感情だった。

鍛錬帰りに縁側で真田殿と一緒に居るのが見えて刀を投げ捨て彼の元に行って無理しなくいい、

そう一言告げたかったが私はそんなに身分が高いわけでもない。


隣には真田殿も居た。尚更近づくことは出来なかった。

さっきなんであんな事を言ってしまったんだろうと後悔している。


自己満足だった。

言いたい事言って、自分だけ満足して。

ただ、人として生きて欲しいと言いたかっただけだったのに。



「自分が嫌になるね。

月はあんなに明るく大きいのに夜しか活動できないんだ。

昼の世界を知らない、月・・・か。」



夜の世界なんてしらなきゃよかった。

月なんて、知らなきゃよかった。

彼も夜なんて知らなければ良かったんだ。





































困惑










































翌日彼女は俺の前に姿を現さなかった。

城内にも居なくて、探したけど見つからなかった。

部屋には愛刀と置手紙。中身は彼女の字で短くかかれていた。



「好きに生きられたら、楽なのにな。」



ユメちゃんが居ない武田なんて、むさ苦しいだけだよ。




――


(なぁユメ、ユメはどうして京に来たんだ??)


(知りたいことがあって、京に来ればわかると思ったから。)


(へぇ〜・・・)


(探してる答えがないかもしれない。だけどあるかも知れない。どっちでも構わないから探してみたかっただけ。)


(そうか。まぁゆっくりしていけよな!!)


(慶次、あんたもいろんなところ行ってみたらどう??

いろんなもん、探せるかもよ。)


(それいいな。)


この気持ちが相手を好きになるという気持ちなのかを確かめるために京に来てみた。

ただ単純に京は人が多いから答えが見つかるかも知れないと思ったからだ。

この気持ちがなんなのか、はっきりしたら伝えたい人に、伝えるんだ。

言わなきゃ伝わらないから。








FIN





†:.。.:+゚+:.。.:†後書き†:.。.:+゚+:.。.:†


本当SSにしようと思っていた作品だったんですが予想以上に長くなってしまいました・・・。

自分でもはっきり言えるのは駄文中の駄文だな、と確信いたしました('・ω・`)

どれも駄文ですがこれ以上はないことを祈ります。


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2009.6.9 昴流

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