戦国BASARA
□握った拳を手のひらに
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「お館様〜!!ユメですー。城下の見回り行ってきましたよ〜。」
あれ、いつもだったら大声でご苦労!!とか言ってくれるんだけどな。
ついに耳が遠くなってしまったのか・・・甲斐の虎引退とかやめてくださいよ、お頭。
「・・・佐助ー。」
「はいよ。」
「お館様はー??返事がなかったんだけど。ここで返事してもらわないとわざわざお館様のところまで行って報告しなくちゃいけないじゃん。
あそこまで行くの面倒なんだよね。私の部屋からも遠いし。」
「・・・そう。」
「そうだよ。」
「へぇ〜・・」
「で??お館様はなにやってんの??」
「え、知らないよ。旦那がさっきお館様の部屋に行ってたから今殴り愛でもしてるんじゃない??」
「じゃぁ返事も返ってこないはずだな・・・」
「お館様に直接言うしかないね。俺様も一緒に行くよ。」
「じゃぁ佐助が代わりに行ってきてよー私疲れてんのー。」
「なんかあったの??」
「バカなチンピラを倒してきた。」
「一人で!?」
「他に誰が居るって言うのさ。
しかも茶屋の看板娘さんが絡まれててさ、助けたらお礼にってお茶出してくれて。」
「へぇ〜・・・よかったじゃん。」
「そこまでは別にいいんだけど同じような事が二度三度起こってみなよ。
疲れるぞー・・・。たち悪い事にチンピラは一人じゃないんだよ。一人じゃなにも出来ないカス共だからな。」
「手厳しいね、ユメちゃん。」
「そう言う奴等が大嫌いなんだもん。」
チンピラを何人倒そうがどうってことないがそこで色々貰ったりなんなりされると少し疲れる。
大体は金出さなかったり娘さんに悪絡みしたりする奴ばっかりだったから。
そう言う下品な奴は嫌いなんだよ。
またまた面倒な事に城下の見回り役だからそれを無視するとお館様に後で拳食らうしなぁー・・・。
今度城下で祭りをやるらしいからそう言う輩が増えてきて見回りが大変。
毎日のように今日のようないざこざが起きる。
もう慣れたけど。
慣れって怖い。
ま、おかげさまで私は城下の英雄って事で色々まけてもらったりしてもらってるけどなぁ。
「お館様ぁーユメは疲れてるんですよー。お願いだから殴り愛は後でやってくださいよー。」
中でお互いを呼び合ってる声が聞こえる中呆れながら襖を開けた。
「お館様ぁー・・・給金上げてもらいますy「ユメちゃん!!危ない!!」は??」
「ユメ〜!?!?」
え、なんか赤いのが吹っ飛んでくる。
え、ちょ、ふざけないでよ。
このままじゃ普通に当たるから。
幸村絶対石頭だから。
ああ・・・こういう時よく時間が遅くなるって言うよね、伊達流に言えばスローモーション。
幸村とぶつかった瞬間元の時間に戻ったように場面が流れた。
「・・・痛った!!」
「すまぬ!!ユメ!!!」
「ユメちゃん大丈夫??」
大丈夫?とか聞くくらいなら腕を引っ張って回避させてくれたってよかったじゃないか!!
どうせ優秀な忍ならそれくらい出来たでしょ!?
「・・・幸村・・・」
「うぬぉ!?」
「ユメちゃん怖っ!!」
「おおおおお館様、お助け〜!!」
「うむ・・・冷静になるのじゃ、ユメよ。」
「冷静に・・・??ほぉ。殴り愛が始まると周りが見えなくなるお二方に言われたくない一言ですなぁ・・・??」
「ははははは、般若・・・」
「幸村!!」
ピシャリと言うと幸村は「申し訳ないでござるぅぅ!!!!」と土下座してきた。
「殴り愛、ユメも参加させていただきますよ・・・??」
「え、ユメちゃん?城壊す気??」
「Ha!!上等!!」
「竜の旦那になってるって!!ユメちゃんお願いだからやめてぇぇぇええ!!」
「二人共、覚悟!!」
「だぁはぁぁぁぁあ゛!!」
「ぬぉぉぉぉおおお゛!!」