愛桜―アイザクラ―
□第四幕
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「誰か居ねぇのかよ!?」
「何か私に出来ることはありますか!?」
「おぉ来てくれたのか千鶴ちゃん!悪いが平助の所に行ってやってくれ。
総司の所には髏輝が片付け次第向かってくれるって言うからよ。」
遠くでそんなやり取りが聞こえた。
千鶴が駆けつけて来てくれたらしい。
本来なら伝令役は山崎のはずだが・・・恐らくどこかで足止めでも喰らっていて千鶴だけでもと来させたのだろう。
今日はやけに眼痛が酷く、定期的に襲ってくるような痛みではなく常に目が痛く、どうせだったら切り落したほうが楽になれるんじゃないかと言うくらい辛い。
皆の前では気付かれないように振舞っているが突然来る痛みだから抑える術がない。
常に痛みは襲ってくるがそれも波のようなものがあって痛みが落ち着いている時の方が長いから不幸中の幸いとでも言うべきだろう。
目を擦る仕草が癖ついた、と言い訳できるようにそのような行動を取るが一や総司辺りには既にばれているだろう。
それでも嘘を貫き通さなくてはいけないのだ。
俺に居場所がある限り、ずっとずっと。
罪悪感なんて感じてる暇はない。
少なからずあるが感じていては嘘などつけない。
「・・・・・、邪魔。」
阻む尊王派を切り伏せ先に進んでいくが後から後から出てきてキリがない。
狭い廊下ではこの大太刀も逆に動きにくく使えないため敵を一掃することが出来ない。
「だから短い刀は嫌いなんだよ。」
半ば八つ当たりで敵を斬って行く。
まぁ大太刀を使うほどの相手ではないから使わない、と言ってもいいのだが。
また俺の刀は血を吸って行く。
「(その内刀が赤く染まったりして。)」
んなばかなこと考えてる暇はないんだが。
「おい総司!生きてっか!?」
やっと廊下に居た雑魚共を全員倒し、人の気配のする部屋の襖を開け、総司を探した。
しかしそこには信じられない光景があった。
「な・・・、(総司がおされてるだと?)」
明らかに床に倒れているのは総司で、誰が、と思いながらも床を伝って総司をここまで押したであろう奴の顔を見た。
「・・・・・貴様も新選組とやらか。」
「・・・・・・・な、・・・・」
「??」
「・・・・髏輝・・・・!?・・・・ゴホッコホッ・・・ッ!髏輝!!!!」
髏輝が敵を見た瞬間髏輝は目を見開いていて、突然右頬に涙の筋を作った。
血の筋を、目から。
彼を見た瞬間心のどこかが疼いた。
俺はコイツを知っている・・・・・・・・・??
目から血とかホラーw^p^