戦国BASARA
□ずるいから、好きです
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「(・・・届かない、なぁ。)」
どんなに背伸びしてても届かない。
台もちゃんとウチの学校はあるらしいけど何処にあるのか分からない。
椅子を持ってきてもいいのだけれど面倒くさいって言うのが本音。
本まであと数センチ。
まるで私と彼の距離のようで焦れったく、もどかしい。
「(届かないならもっともっと、いっそのこと見えないくらい遠くにあればいいのに)」
それなら取ろうと思わないし気付かなかっただろうに。
そっちの方が幸せだったかもね。
最後のひと伸び。だけどこの数秒間で身長が伸びるはずもなくやっぱり届かなかった。
諦めようとした瞬間後ろから腕が伸びて来た。
「・・・・・なんで元親がここにいるの?」
本なんて嫌いなくせに
読むなら漫画だけだと毎回私に言うくせに。
「教室で待っててって「待った」短気すぎ。」
アンタの待つって時間は10分までなの?
「ユメなら図書室に居るだろうと思ってよ、迎えに来た。」
やっぱりここは好きになれねぇな、と呟きながら本棚の一番上に並ぶ本を見ていく彼。
いいわね、身長でかくて。
アンタの目線は私が背伸びして腕をめい一杯伸ばしたところなのね。