戦国BASARA

□冬の日
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「ぶえっくしょい!!」


「くしゃみ可愛くなっ!!」


「くしゃみ可愛いとかどこのぶりっ子だよ!!!」



ってか考え方古っ!うける!とか言いながらげらげら笑うユメ。

げらげらって表現が酷くないかって?

そんなことないのよそれが。



現に椅子に座って胡坐かいてんだからね?この子。

厳ついって言うか男勝りって言うか逞しいって言うか・・・。



今時の女の子とはかけ離れてるよね。言っちゃえば。前世女武将だったよ、うんきっとそうだ。

でもそんなユメに惚れたのは他でもないこの俺なわけで。


理由は簡単だった。

今の時代に流されないで自由気侭に生きてるユメに憧れと好意を抱いた。



見た目からして、性格からして勉強は苦手。

授業もまともに受けない。


片倉先生の授業はしっかり受けてるけど。

彼女曰く片倉先生はいい先生らしい。


俺様もそう思うけど。

まぁそんな感じで時々学校すら来ない。

顔からしてまさに不良っぽい。


でもよく青春ドラマ?金○先生とかでさ、不良っぽい子ほど芯はすっごくいい子っていう子いるじゃん?

ユメってまさにそんな感じ。


勉強できなくてもそう言うところが好きだと伝えれば照れ笑いしながら言い返してくるユメがすっごく可愛くて可愛くて目に入れても痛くないね!!



「やっぱこいつなら攻撃力しか上げてないと思った!」



してやったり。ニヤリ。と効果音が付きそうなくらいの悪人顔のユメ。

目に・・・入れても痛く・・・ない。はず。



「心理戦であたしに勝てるものない!是非もなしー!」



楽しそうに一人で喋るユメ。

喋り相手はもちろん携帯電話だ。


最近CMで有名な怪盗ゲーム。

今めっちゃ流行ってるらしい。


政宗とか元親とかが騒いでた気がする。

まぁ俺様はそういうの疎いからよくわからないけど。



「今ドレス集めてんの。」


「ドレス??」


「うん。ウェディングドレス。」


「へぇ。そんなの盗むんだ。」


「でさ、怪盗やってる人がイラスト描くんだけどさ、頭脳派がウェディングドレス抱えて走ってるイラストとかあるんだけどめっちゃイケメン。」


「ふーん。」


「あたし頭脳派なの。」


「普通の女の子ならセクシー派じゃないの??」


「あーうん、なんか負けた感じすんじゃん。」



頭脳派はセクシー派に強いんだ!って力説するユメ。

聞けばセクシー派に勝ちたいらしい。



「なんか悔しいじゃん!」



なんだかよく分からないことを言いながらユメは携帯を閉じた。



「あー・・・風邪引いたかな。花粉症かな。」


「あれ、ユメ花粉症だっけ?」


「違うよ。でも今年花粉やばいらしいね。」


「去年の7倍だっけ?今年どーなっちゃうんだろうね。」


「チカ死ぬんじゃね??」



女の子がそんな言葉遣い・・・。

そう思うのは俺様だけらしい。

皆ユメらしい、って言って終わり。


そりゃユメらしくて俺様も好きだよ?でも女の子なんだからさ・・・・。

そんな俺様の気持ちも知らないでユメはけたけた笑う。



「チカ去年も辛そうにしてたし。」



チカの誕プレマスクでいいや。って言うユメ。

安上がりだな・・ドンマイ、元親。



「よし、佐助、帰ろ」


「んー」


「いやしかし最近寒くなってきたねー」


「おばさんみたいだよユメ。」


「うっさい。あ、くしゃみでそう。」


「ティッシュは?」


「持ってない。」


「それでも女の子!?はい、ティッシュ!」


「お、サンキュー!」



俺様からティッシュを受け取ってさっきみたいにド派手なくしゃみをかましたユメ。

本人はあースッキリ、なんていうけど俺様はスッキリしないよ・・・。


何度も言うようだけど仮にも女の子なんだから。



「こりゃ風邪かー」


「あれ、花粉症の疑いは?」


「んー・・・なんとなく。」


「なんとなくって・・・」


「花粉症ってこんなんじゃなさそうって言うあたしの勘。」


「ふーん。まぁとにかく体調の管理はしっかりしなよ?」


「佐助くん優しー」


「棒読み加減がハンパないんだけど。」


「まぁまぁ、」



ユメが休んだらいつもユメを中心に騒がしい教室が多分すっごい静かになると思う。

政宗や元親は変わらず騒がしいと思うけどなんか違うって感じると思う。


それも何だかんだでいやだけどユメが辛い思いするのが一番嫌だった。


本人は絶対弱みを表に出さないから風邪なんかに負けるわけ無いじゃん。って言うと思うけど。

きっと俺様、思ってたよりユメに依存してんのね。





校舎から外に出れば校内よりもずっと寒かった。

ユメを見ればスカートを何回も折ってて見てるこっちが寒い。



「ユメ寒い。」


「寒いね。」


「そうじゃなくてユメの格好が寒い。」


「どこ見てんだよ。」


「いや、そういう問題じゃなくてね。」


「でもスカート伸ばしたら女の恥でしょ。」


「どんな定理!?」


「いいからいいから。」



早くチャリ取ってこーいって言われたから渋々取りに行く。

駐輪場にはやっぱり生活担当の先生が居た。


ユメは絶対なんか言われるから駐輪場には来ない。


かと言う俺様も実は第二ボタンまでとめろとか、腰で穿くなとか、

ヘアバンドが派手とか、髪の毛染めてるだろ、とか色々言われたりするけど

ヘアバンドくらいいいじゃん、迷彩だよ?とか地毛だしバーカ、なんて内心思うけど。



「猿飛ーヘアバンド派手だって言ってんだろー。黒いのどうした黒いのー」


「今洗ってまーす。」



ほら、ね。

こういう時はテキトーに理由つけてさっさと退散!



「お待たせー。」


「佐助注意されたでしょ。」


「わかった?」


「うん。別に外観なんてどうだっていいじゃんって感じ。

地味なら地味な性格してるんだし、バカっぽい、ガキっぽいって感じるなら中身もそのまんまなんだし。

今だけ注意したって校門出りゃまた皆着崩す。まぁ言い続けなきゃいけない立場だから言ってるんだと思うけど。」



「公務員だし。」


「そっすねー。小十郎先生は言わないのに。」


「あの人自分の見た目もあるからじゃない?」


「確かに。」


「分かってくれる人は分かってくれんじゃない??」


「そうだねー。あ、佐助、帰りコンビニ寄ってー」


「了解。」



ユメがチャリに乗るように促すからチャリに跨るとユメも続けてチャリの後ろに座った。



「ユメ、まだ校内だけど?」


「おけおけ。」


「いや、全然オッケーじゃないから。」


「レッツゴー」


「あーもう。」




絶対校門前で捕まるじゃん。

さすがの片倉先生でも怒るでしょー。



「早く行け!」


「もうどうなっても俺様知らないからね!」



どうとでもなれ!と思ってチャリに乗るけどやっぱり校門前には片倉先生が居た。

生徒指導にあがるかも知れないしーとか思って降りようとするとそれを察したのかユメはぐっ!と俺様のベストを掴んだ。



「そのまま突っ走れ」


「えー・・・」


「ダッシュすれば捕まんないって!」


「でも明日どうせ怒られるじゃん。」


「まぁいいじゃん。ここで降りて行くより楽しいって!!」



ニッ!って笑うユメは年齢より幼く見えた。

その笑顔がすっごく楽しそうだったから俺様も諦めてチャリの速度を上げた。

それに満足したのかユメが騒ぎ始めた。


ユメの声に気付いた先生たちがこっちを向くと一斉に俺様達を止めに入った。



「いけ、佐助!あんたならすり抜けられる!飛び越えてもいいけど。」


「ちょ、まじ勘弁・・・!」


「おいテメェ等!!自転車の二人乗りは違反だっつってんだろ!!」


「おー小十郎先生、また明日!」


「おいユメ!話を聞け!!」


「明日相談聞いてあげるから勘弁してー」



ばいばーいって後ろに向かって大きく手を振るユメ。

こりゃ明日は大変な事になるな、なんて思いながらもユメが楽しんでるならいいか、なんて思った俺様。



惚れた弱み、かな。












































(ユメと一緒にいるは楽しいし、ユメとバカするのも楽しいから俺様もバカになってはしゃぐ。)


大人になるのは簡単だけど子供に戻れはしないから今精一杯ユメと馬鹿するのが精一杯の俺様だと思う。



FIN.

10.10.22





アトガキ

凛様24000hitリク夢でお相手は佐助でした!

甘でリクを受けたのですがちょっとほのぼの風味になってしまった・・・・orz

リクしてくださった凛様!
本当に感謝です!!

そして24000hit!皆様が居ないとサイトは成立いたしません!
読者様にも感謝感謝です!!





 

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