戦国BASARA

□ただいま
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(・・・??)


客をエスコートしようと思って先に車を降りたら道を挟んだ先にアイツに似た感じの奴が歩いていた。

もう顔が見えなくあいつとは決め付けられなかった。

本当だったら駆けつけるが今は仕事中だったから後で電話してみようと思った。

店の中に入ると既に多くの客が来ていて皆忙しそうだった。



「旦那、おかえり。」


「あぁ。」


「・・・どうした??旦那、」


「なんでもねぇ。考え事だ。」



なんていい訳したら「旦那が考え事なんて珍しっ!!」なんて言って佐助はテーブルに戻っていった。


ホストの仕事を始めたのはあいつと、ユメと付き合い始めてからだ。


付き合い始めたら辞めるのが普通だが。


ユメは気品があって綺麗で、美人、の部類に入る。

ユメが離れていかねぇように、いろんなことが学べるであろうホストクラブに入った。


ユメも別に反対はしなかった。


毎日電話などで繋がっていたがある日からユメが急に電話に出なくなった。


時間を作って会いに行くと海外へ行く事になった。


と短く言われた。


俺は引き止める事もできなくてユメはあっさりと海外へ行った。


それから数ヶ月してやっとユメの大切さに気が付いた。

だが遅すぎた、と思った。



もう隣にユメは居ない。


もしかしたら向こうでいい男でも見つけて幸せにやってるかも知れない。

男を連れてこっちに戻ってくるかもしれない。



すれ違ってた時間が勿体無かった、と感じた。

寂しい・・・そう思った。


その寂しさを忘れようと仕事に没頭した。

おかげで人気は上昇。

今やクラブのトップ。

皮肉なことに全てユメのお陰。



(電話出ねぇだろうな・・・)



隣できゃあきゃあ騒いでる令嬢をいつもの通り、教えられた通りに相手した。

教えてもらった事を相手関係なくやっているのに客は喜ぶ。

きたねぇ仕事だなと感じながらもこの仕事をしている俺はもっと汚い。

はぁと溜め息を小さくつくと隣に座って他の客を接客してる佐助に


゛今は仕事中だから溜め息つくのは後にしなさいよ、"


なんて言われた。オカンか、お前は。

何故か何について溜め息ついたのかこいつは分かってる気がした。

後で聞いてみるか、なんて頭の隅で考えて、俺はこれからの予定を立てた。








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