戦国BASARA

□あの時君の手を離さなきゃよかった
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「ユメ、別れよう。」


「ぇ・・・??」


「もう、いい。」


「ちょっと待ってよ!」


「じゃぁな。」



掴まれた腕を俺は自分自身も驚くほど冷たく振り払ったんだ。


あの時の事は今でも覚えてる。

否、死ぬまで、死んでも忘れない。

世界で一番愛した奴を振った瞬間だった。




























あの時君の手を離さなきゃよかった









































ユメと分かれて今日で丁度1ヶ月。

分かれた理由は俺自身にはなかった。


ただ言えたのがユメは俺の前だといつもどこか緊張しているような顔をしていた。

俺が怖かったのかも知れない。


元々付き合ってくれと言ったのは俺のほうだし俗に言う一目惚れってやつだったからユメがどんな性格をしているのかも分からない内に告白して付き合った。

最初はホント軽い気持ちで付き合い始めた。

気に入らなければ別れればいい。遊び程度で付き合ったはずだったがいつの間にか俺はユメにどっぷりだった。



「・・・・・・・・」


「なぁ政宗、お前あれから一人も女作ってねぇんだろ??1ヶ月も女居ねぇなんて珍しいな。」


「Ah-・・・今は、いい。」



今どころじゃない。

女なんてもう要らない。

ユメ意外俺には必要ない。


これは言い訳になるかも知れないが今回はユメの為に別れたと思ってる。

俺の判断は恐らく正しかった。

だが納得してない俺も確かに居る。

もっと隣に居たかったと思う俺が居る。



「・・・・噂、いや、違ぇな。まぁ俺の独り言だと思ってくれて構わねぇ。

・・・お前がユメと別れてからユメの周りに下心丸出しで近寄ってくる奴が居るらしいぜ。」



「・・・・・・・・俺には関係ねぇ。」


「確かにな。だけどよ、関係ないないらンな顔すんな。今のお前の顔人殺せそうだぜ??」



元親に言われてはっと顔をあげると元親は苦笑いをしていた。



「最近俺が見る限りじゃ猿飛と一番仲いいな。猿飛はその屑共からユメを守ってるみたいだが。

猿飛も俺とユメと同じクラスだしこの前席替えしてあいつユメと今近くなんだぜ。」



そういやコイツユメと同じクラスだったっけな。

なんて頭の隅で暢気に考えてる俺に腹が立つ。


本当だったら今すぐ猿の所に行ってあいつは俺のだ、手ぇ出すな。って言ってやりてぇ。

でも今は違う。


いや、元々ユメはモノなんかじゃない。

俺の手の中に収まるほど小さい存在でもない。

いつかは手からすり抜けちまうって心のどっかで分かってた。

そう、分かってたんだ。



「・・・・もう付き合ってるかもなァ・・・。」


「・・・そうか。」


「いいのか??」


「俺がどうこう言う事じゃない。あいつらの幸せ壊す権利なんて俺にはねぇぜ?」


「ンな事二人の目の前で言えっか??」


「無理かもな。でもよ、もう手放しちまったんだ。これから何処に行こうがユメの勝手だ。」


「・・・・・そうか。」


「お前もより戻せよ。また泣かしたんだろ??」


「あぁ・・・まぁな」




今はかなり現実を受け止めて自分なりに開き直ろうとしてる俺が居る。

それで、いいと思う。


どう望んだって俺の手の中にユメはもう二度と戻ってこないんだ。

だったら前へ進むしかねぇだろ。

こんな事本人の目の前でも言えるって自信はどこにもねぇけどな。










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