戦国BASARA
□世界にたった二人
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時は少し肌寒くなって来た11月上旬。
とある日の放課後。
「はぁ・・・・・」
「どうした??」
「・・・・・・・・」
「ユメ??」
「・・え、ごめん聞いてなかった・・・」
「どうしたのかって聞いてんだ。」
「ど、どうして??」
「・・・溜め息、してたろ??」
「嘘、無意識だった・・・・幸せ逃げた・・・」
「だからどうしたのかって聞いてんだよ。」
「うーん・・・・なんでも無いよ、気にしないで。」
そう言ってユメはまた頬杖を付きながらぼんやりと校庭を見た。
政宗ははぁ、とユメにばれないように溜め息をし、早く課題プリントを終わらせて話でも聞いてやるか、と再びプリントの問題を解き始めた。
政宗がユメをちらりと見るとユメはまだぼーっと校庭で部活をしている生徒達を見ていた。
政宗はいつもの通り数学の授業を屋上で隣のクラスの悪友である元親とサボっていたら数学担当の小十郎に見つかり課題を大量に出された。
何故か元親も一緒に課題を出されたため元親はとんだとばっちりを受けた。
二人も最初誰が課題なんかやるか、と反抗していたが
今までの分と言わんばかりに小十郎の説教と言う名の小言を言われその時の般若の様な小十郎を見て渋々課題を受け取った。
元親は近所に住む幼馴染の元就に数学を教えてもらうため、早々に帰り政宗はそこそこ勉強の出来る自分の彼女、ユメに頼んだ。
かと言う政宗も勉強が出来ないわけじゃない。
寧ろサボってるくせに成績は真ん中より少し上の位置に居る。
ユメは「やり方が分からないだけだよ、」と言いながら丁寧に分かりやすく説明し、政宗自身にしっかりと課題をやらせることにした。
した、のはいいが何故だかユメは今日機嫌が悪い。
と言うより様子が変だ。
「ユメ、ここはこれでいいのか?」
「うんそう。政宗はやれば出来るんだからサボっちゃダメだよ。」
そう言って政宗の頭を優しく撫でるユメ。
それに照れる政宗。
だがユメの顔は晴れることは無い。
そんな初々しくも、くっつくところではしっかりくっ付く二人を周りはとても仲が良く、お似合いだ。と言う人が多い。
多いだけであって全員が、と言うわけではないが。
何故ユメの様子が変なのか分からないが何かあったに違いない、と踏んでいる政宗。
政宗が問題を解いている間も頭の上から溜め息が何回聞こえてきたことやら。
「Heyユメ・・・・どうかしたのか??さっきから溜め息ばっかりだぜ。」
可愛い顔が台無しだ、と政宗が言っても大して反応を見せないユメ。
いつもだったら可愛くないから!なんて頬を赤く染めて言うユメが今日に限っては溜め息をついてきた。
政宗は本格的に心配になり少々焦り始めた。
「何かあったのか?遠慮すんな、なんでも話せ、な??」
政宗がそう言うとユメはもう一度溜め息をし、言った。