戦国BASARA

□世界にたった二人
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「この世界に私と政宗、二人だけだったらいいのに。」



ユメの決まり文句だ。



これはユメになんかあった時必ずユメはこう言う。

その対象が些細な悩みだったり、勉強の事での悩みだったり、色々だ。


ユメの思考は「悩みの原因を辿れば他人が関係してるの。私と政宗しか居ない世界だったらこんな悩み事生まれては来ないもの。」だ。


悩みがある時に無意識にそう言っているのかは定かじゃないが。

この様子を見ていると自然に口が言ってる、と言うべきか。



ユメは校庭を見ながら呟くように言ったから政宗は不謹慎にも少し嬉しく感じた。

無意識にユメは政宗だけ居ればいいと言っているのだ。



政宗は持っていたシャーペンを机に置き真っ直ぐユメを見た。

ユメもそれに気がついて政宗のことを見る。


ユメは悲しそうな顔か少し拗ねたような幼さが見える顔になっていて政宗は思わず苦笑した。



んな可愛い顔すんなって。



「Please speak.」


「・・・・・今日言われたの、女に子達に。」


「・・・」



女の子達、と聞いて政宗はピクリと反応した。

その直後眉を顰めユメに先を話すように目で促した。



「政宗に私は似合わないんだって。早く別れろだって。政宗の隣は私の居場所じゃないんだって。」


「でもね、私政宗と別れる気ないから言ったの。゛私も政宗の事好きだったけど政宗から付き合ってくれって言ってくれたの。

私も政宗の事貴方達と同じくらい、それ以上好きなの。お互い好きならその関係を壊す必要もないでしょう?″ってね。」



政宗が私の事を好きって言うのは分からないけどね、とユメは続けて言うと政宗は「俺は世界で一番愛してるぜ」と言ったのに対しユメは嬉しそうに微笑んだ。




「それに、誰かに壊される筋合いも無いと思うの。って言ったらその子達悔しそうに去って行ったの。私思わず笑っちゃった。」


「考えてる事がガキだな。俺等はそんなに脆くねぇ。」


「そう言う人達、居なければいいのに。この世界に私と政宗二人だけだったら何も問題ないのに。

私、政宗以外は何も要らないの。政宗が居ればそれでいいの。本当だよ??」




「俺だってユメ以外なんも要らねぇよ。でもな、仮にこの世界に俺とユメだけ居るとするだろ?

当たり前に出会って、当たり前に一緒に居る。必然から出来た必然で俺達は結ばれる事になる。


けどよ、偶然同じ年に生まれて、偶然同じ高校に居て、偶然同じクラスになって。

こんな偶然が重なれば必然になるって言うだろ?偶然から出来た必然で結ばれた俺達を誰かに見せ付けたくねぇか??


俺は世界中の奴等に見せつけてぇ。俺のユメだ、俺の最高の女だ、俺は世界一幸せだ、ってな。」




「・・・・でもそれで面倒事が起きるならそれは避けるべきだと私は思う。」


「Oh・・・・お前はそう言う奴だったな。」


ユメの言葉に思わず苦笑する政宗


「でも・・・誰かに私達は幸せだよ、って言えたらそれこそ本当に幸せなのかも知れないね。」


「だろ?だから見せ付ける為に他のやつも必要ってわけだ。you see??」


「だからって女の子達から色々言われるのは嫌だけどね。」


「Ahー・・・違いねぇ。」


「でも平気。政宗が居るもの。」



ユメは悩みが解決した様で照れくさそうに笑いながら言った。



「So cute!!」



政宗は椅子から立ち上がり机の向こう側からユメに抱きついた。


「ま、政宗!早く課題終わらせてよ!」


「課題なんてどうだっていい。小十郎とは顔合わせねぇようにすればいい。」


「帰る場所は同じでしょう??」


「Shit!」


「家で教えてもらえばいいんだよ。私なんかより片倉先生の方が教え方上手だし・・・。」


「いや、俺はユメじゃなきゃ受け付けねぇ。」


「じゃぁ早く終わらせようよ。」


「もうやり方は大体分かったから大丈夫だ。一人で出来る。」


「そう・・・。」


「今しか出来ねぇ事でもすっか??どうせもうここ来る奴いねぇだろ。」


「は!?何言ってんの!早く帰るよ。」



ユメにトン、と肩を押され仕方なく離れた政宗。

ユメは急いで勉強道具をカバンに詰め帰る準備をしていた。



「つれねぇな、Honey」



政宗はユメの唇に自分のソレを重ねた。



「な!?なにしてんの!」


「何ってkissだ。」


「こんなところでしないでよ」


「教室じゃなかったらしてもいいのか??」



「そう言う問題じゃなくてね、公共の場ではしないでって言ってるの。you see??」


「I see...」


「帰ろ。」



ユメは政宗の手を取り歩き出した。

前に居るユメの顔は見えないがきっと真っ赤なのは言うまでも無い。

政宗は隣に立ちまた一つキスを落とした。














































































(俺の中ではいつだって「ユメとその他の生き物」に分けられてんだ。)








FIN??

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