戦国BASARA

□僕はそっと彼女に触れる
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休み時間ユメはかすがと一緒に話をしていた。


今日のお弁当は何が入ってるだとか、今日のドラマはいいところだから見逃せないね、とか、他愛も無い話。


二人が楽しく話していると不意にかすがが眉を顰めた。

ユメはなんだと思い後ろを振りむこうとすると誰かに髪の毛を触られ振り向く事は出来なかった。



「Heyユメ、お前髪の毛さらさらだな。」



後ろから伸びて来た手と聞こえてきた声に特別驚きもせずユメは後ろを振り向き笑顔で「そうでもないよ〜。」と答えた。


それに対し政宗は微かに頬を赤く染め、ユメから一瞬目を逸らしたが目を向けなおし抱きつきたくなる衝動を抑えていたがやはり人間欲には勝てないらしい。

思い切り後ろからユメを抱き締めた。



「So cute!!」


「伊達政宗!ユメから離れろ!」


「Ha!嫌だね。」


「私の意見は〜??」


「ユメは俺がくっついてんの、嫌か??」



耳元でわざと低く悲しそうに囁く政宗。

今度は割くが頬を赤く染める番だった。

政宗はニヒルの笑み。



「い、嫌じゃないけど、さ。周りのことも考えようよ・・・。」


「周りなんて気にすんな。俺とユメが付き合ってる事なんて皆分かってらぁ。俺だけ見てな、honey.」


「最後の言葉無駄にかっこいいよね。って言うか付き合って無いから。それより政宗さ、また彼女サンと別れたっしょ〜??」


「Ah??なんで知ってんだよ。誰にも言ってねぇぜ??」


「政宗別れると屋上行かないんだよ。元カノがより戻そうとして政宗が居るであろう屋上に来るんでしょ。」


「よく見てるな、こんな奴のことなんて。」


「まぁ・・・3年間同じクラスなら嫌でも分かっちゃうよι」


「俺のこと好きだからな。」


「友達としてね。」


「Oh・・・・」



何だかんだで楽しく話す三人。

仲がいいからか男女関係なく自由に冗談言ったりからかったり。


皆男女関係なく付き合える関係がほしかったのは間違いない。

政宗もかすがもユメも顔は悪くない。寧ろいいほうだ。

だから媚びる女子は寄って来る、下心丸見えの男派寄って来るわでお互いの苦労が手に取れるように分かる。



仲良くなったきっかけはそこからだった。

3人は偶然にも3年間同じクラスでかすがとユメは1年生最初からとても仲がいい。


政宗とユメは初めは何の関わりもなく「ただのクラスメイト」としかお互い見てなかった。

話したこともないし、正直最初なんて名前と顔が一致しないくらいお互い関わりがなかった。


そんな二人が知り合ったのは屋上。

同時刻にお互い告白されていたのだ、屋上で。

政宗に告白していたのは化粧は濃く、香水のにおいがキツイ、軽そうな女。

ユメに告白したのは下心丸見えのチャラ男。


もちろん二人共即行で「興味ない」と言って振り、二人して溜め息をし、お互いに「大変だね(な)お互い」

と声をかけたのが二人の始まり。


そこから意気投合し、どんどん仲良くなっていった。



ふと昔を思い出していたユメに政宗は一度ユメに席を立つように言い、ユメが立ち上がると政宗はユメが座っていた席に座り、そのままユメを自分の膝の上に抱き寄せ座らせた。

所謂膝乗せ。


ユメはまたもや時には気にもせず、かすがも「こいつは何を言っても聞かないからな」と言うような顔をして怒鳴るのも面倒だ、とスルーした。

政宗は思い切りユメのお腹辺りに腕を回しギュッと抱き締めていている。


ユメは前を向いているため政宗の顔は見えないがかすが同様政宗が言っても聞かない事を知っているため彼を咎めたりはしないし別に羞恥もない。

それほど仲がいい3人。

そんなユメに気を良くした政宗は顔をユメの背に埋め更に強くユメに抱きついた。

これには最早苦笑するしかない二人。



無駄に赤面したのはクラスの生徒達である。

周りから見れば美男美女が膝乗せして美男子が美女に抱きついているのだ。


美女と言ってもユメはどちらかと言うと可愛い、に分類されるが。

途中パシャ、パシャと写真を撮る生徒も居た。

きっと新聞部の人だろう。


明日の「バサラタイムズ」に掲載されるんだろうな、とユメは溜め息。



「周りから見れば付き合ってるように見えるがユメには猿飛が居るからな。」


「そうそう、ユメちゃんには俺様が居るからね♪」


「猿飛!」


「あ、佐助〜。」



教室のドアの所に背を預けて立っている佐助。

ユメ達が居るのは窓際の筈だが佐助の耳に届くのは十分だったらしい。

三人の声がでかかった訳でもなく、周りが静かだったわけでもなく、佐助の耳がただたんに地獄耳なんだか普通に耳がいいのかどっちかだ。


かすがが窓際から廊下側を見るように座っていて、政宗とユメが廊下側に背を向けている状態だったから佐助の事は見えなかったが佐助の声がしてユメは咄嗟に振り返り満面の笑みで佐助の名を呼びながら手を振った。

それに対し佐助もニッコリと笑いユメに手を振り替えしならが3人に近づいてきた。



「俺様がちょーっと居ない間になぁ〜にやってんのかな?竜の旦那!」


「ただ話してただけだろ?いつもの事じゃねぇか。」


「そ、そうだけど・・・って言うかユメの事膝の上にのせないでくれない!?無駄にカレカノっぽく見えるっての!!」


「別にいいじゃねぇか。なぁユメ。」


「私達の仲だし友達としてなら有りなんじゃない・・・かなぁ・・・なんて・・・ね。」


「ユメヘアゴム持ってるか??」


「持ってるよ。」


「貸せ。」


「結んでくれんの??」


「of course.」


「5時間目体育だしね。」



ユメは手にしていたヘアゴムを政宗に渡し話し始めるユメ。



「佐助は何してたの〜?」


「・・・・・・」


「佐助??」


「え?あ、ごめん何??」


「(・・・??)教室に居なかったから何してたのかな?って。」


「ナニナニ??気になっちゃった?俺様のコト♪」


「・・・・、ちょっとね。」


「ユメちゃん可愛いっ!」


「な、」


「まぁ大した用事じゃないのよ。旦那にお弁当渡しに行ってただけ。」


「まだ二時間目だしどうせ一緒に食べるんだから意味ないんじゃないの??」


「今日は急いでて一個目のお弁当持ってくの忘れたんだよ、旦那。旦那弁当一個じゃ足りないし朝練でバカじゃないの、って程動くから昼までにお腹空いちゃって空いちゃってしょうがないんだって〜。」


「そっか。部活大変だもんね。」


「突っ込むトコそこ?」


「昔からじゃん、幸村が大食いなの。」


「まぁ、ね。」


「ユメ、hairstyleどうする」


「んー?政宗の好きでいいよ。」


「ok」


「って言うかなんで竜の旦那が結ぶわけ!?」


「別にいいじゃねぇかよ!」


「別にいいけどさ!結ぶんだったらポニーテールね!」


「「「・・・・・・・・」」」



半ば逆切れの佐助。

どさくさに紛れて明らかに自分の好みを言った事は触れないでおこうと思った三人。










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