薄桜鬼
□やっぱり君が好き
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「総司なんて大っ嫌い。」
「奇遇だね。僕もユメが大嫌いだよ。」
「・・・っ!もういい。」
そう言って僕を突き飛ばしていったのは僕と恋仲でもあるユメ。
喧嘩・・・って言うのかな。
まぁ僕が悪いんだけどね。
「総司さ、退いてくれない??これじゃ仕上がらないんだけど。」
「僕がどうしようと僕の勝手でしょ?」
「でも今だけは離れてくれないかな??このまま書くと字乱れるし・・・」
「別にいいじゃない。」
「副長に怒られる。」
「ユメは土方さんの為に綺麗な字を書くの??あの人なんて左手で書いてあげたのでも渡しておけばいいよ。」
「私左利きだけど。」
「じゃぁ右手で書いて。」
「余計時間かかるでしょ。」
「あーもう、じゃぁやらなきゃいいでしょ。」
「だから、総司が退けばいいのよ。」
「って言うかユメ・・・・小さいね。」
「・・・・喧嘩売ってる??」
「いいよ、僕は手に収まるくらいの方が好きだからさ。」
この一言が原因で冒頭に至るわけで。
実際胸の大きさなんてどうでもいいんだ。
サラシをして毎日男としてここで働くユメの胸が大きくなるわけないし
女としての自分を捨ててまでここで働こうとするユメを尊敬さえする。
謝らないといけないんだけど如何せん頭のいいユメが易々と見つかりやすい場所に居るわけがないだろう。
もしかしたら屯所内にすら居ないかも知れない。
僕は重い腰を上げてユメを探し始めた。