薄桜鬼

□ある冬のはなし
1ページ/1ページ



「へーすけ!」

「おぉユメ、なんだよ。」


「聞いて!数学のテスト20点だった!」

「俺22点ー!」


「えー!?カンニングでしょ!」


「なんでそうなるんだよ!」


「平助より絶対高いと思ってたのに!」


「ドンマイ!」

「むかつくー」


「でもいいなんユメは。数学以外得意なんだから。」

「そうでもないよー」



そうでもなくないのが現実だ。

ユメは数学だけ苦手で後の教科はどれも平均点より少し上にいる。

それは今回だけに限らず毎回、つまり数学以外はからきし出来ないわけじゃない。


それに比べて俺はクラスの平均点を下げてる、まぁ言えば足引っ張ってる要員であって成績に赤がちらほら。

なんとか留年はまのがれてるけど。


勉強以外なら得意なんだけどな。



「いいじゃん平助は運動神経抜群なんだから。それに剣道だってできる。」



羨ましいよ、って言うユメ。

羨ましい?どこが?


だってはっきり言えば運動なんて出来なくても頭がそれなりなら進級できるし卒業だってできる。

運動はあくまでも脇役なわけであって学力がモノを言う世界だ。

運動なんて出来なくても多少アレだが不便ない。


それに何だかんだ言ってユメだって剣道部だしそこそこ上手いし体力だって運動神経だって並か、並以上あるだろう。


寧ろ羨ましがるのは俺のほう。

最終的に得をするのはユメの方。


羨ましがることなんてひとつもない。



「平助顔もいいしさ〜」



苦労しなさそうだね、って言うユメ。



「私も千鶴ちゃんみたいに可愛かったらなぁー・・・」


「ユメは今のままで十分だろ」


「それってどう取ればいいの?今のままでも十分可愛いってこと?それともお前なんてそのままで十分ってことー?」



頬を膨らませながら言うユメ。

もちろん俺的には前者の意味で言ってたんだけど。


惚れた弱みかもしれないが千鶴より可愛いと思うし実際そうだと思う。

千鶴が可愛くないわけじゃない。決して。


でも、ユメの方が俺的には可愛いと思う、って話。

こんな事言う俺は相当キてる。


ユメに溺れてんなぁなんて考えながらユメのことを放置してたのを思い出して苦笑しながらユメの頬を片手で押した。



「うっ」

「ユメ、タコみてぇ。」


「しょう、してりゅにょ、は、だりぇにょ、しぇいゆ!」


「何言ってるかわかんないし」


「ぶー」

「ブタになっちゃうぞ。」



しょうがないから手を離して話す間際に鼻をツンッと摘んでやれば「んがっ!」なんて非常に可愛くない声をだした。



「あのね、へーすけくん。」

「なんだよ。」


「ブタってね、あれ太ってるわけじゃないんだって。」

「え!?まじで!?」


「うん。なんか生きるために必要なんだっけな?あれ、筋肉なんだっけ・・・まぁ理由は忘れたけどとにかく決して太ってる

わけってわけじゃないらしいよ。」


「へぇ。」


「だからブタさん=太ってるっていう失礼な考えはしないように!」



得意げに言ったユメだったが理由がちゃんと述べられてないあたり少しモヤモヤしや気分が取り残されたがまぁいいとし

よう。


本題はそこじゃない。

でもきっとユメのことだから話が転がりすぎて何話してたか忘れただろうな。

抜けてるって言うか、なんていうか。



「(そういうところが可愛いんだけど、って何言ってんだ俺・・・)」


「で?結局なに話してたんだっけ?」


「(・・やっぱり。)」


「ま、いっか。帰ろ!へーすけ!」


「そうだな〜」



手つないでユメの歩幅にあわせながらゆっくり歩いて他愛ない話して。

帰りにコンビニでも寄って帰るか。



「あ、雪だ!積もったら剣道部全員で雪合戦しようよ!」


「一くん狙おうぜ。」

「うん!」



積もるのは雪と愛しさだけ。



























































(・・・積もらなかったね)

(そーだなぁ)


(うん、まぁ、いっか。)

(たま降るだろ。)

(ね。)


楽天的?うん、まぁ、何とでも。

きっとユメのせい。


FIN.

11.1.9




サイト友達のこまめ様のリクエストで
平ちゃん夢でした!
ぶっちゃけ忘れててごめんなさいこまめ様><

しかも短い!
うーん・・・微妙でしたね(´・ω・`)

ごめんなさい><
お持ち帰りはこまめ様のみでご自由に!











[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ