薄桜鬼

□みんなでお花見!
1ページ/2ページ



「酒持ってこーい!!」

「これじゃ全然足りねぇぞ!!」


「ちょ、永倉さん!原田さん!呑み過ぎですよ!」


「俺らだけじゃねぇよ。局長だって土方さんの分もここに置いてあるだけだ!」

「はぁ・・・」




「まさに花より団子、いや、お酒だね。」


「沖田さんもそんな事言ってないで止めてくださいよ!」

「ん〜別にいいんじゃない?折角の花見なんだし。」


「一日ハメくらい外しても、なぁ?」

「ユメさん!」


「あれ、ユメどこ行ってたの?」

「団子買いに行ってた。」


「あぁそう。ご苦労様。」



総司はそういって俺の方に手を伸ばしてきた。



「なんだその手は。言っとくがやらないからな。」

「なんでよ」


「これは酒を飲まない俺と千鶴が食べるために買って来たんだ。」

「ふぅん・・・?」


「お、沖田さんなんで私を睨むんですか!」


「だってユメが千鶴ちゃんのために買ってきたんだよ?そりゃ、ねぇ・・・?」

「ひっ・・・!」


「総司!そうやって千鶴のこと苛めるな!」


「ユメはいつも千鶴ちゃんの味方だね。・・・気に食わないなぁ。」



最後は千鶴にしか聞こえない程度の声で言う総司。

その一言に千鶴の背筋が凍りついたのは言うまでもない。



「おーいユメ!」

「なんだー平助ー」


「ユメも一緒に食べようぜー」



遠くから声をかけられて仕方ないから千鶴に団子の包みを渡して俺はその場を一旦立つ。



「ひ、一人にしないでく「なーに言ってるの千鶴ちゃん、僕が居るじゃん。酷いなぁ。」ひぃ!」




「平助、一君、」

「ユメどこ行ってたんだよー?」

「ちょっとなー。」

「ふーん。」


「ユメは呑まないのか?珍しいな。」

「んー・・・まぁここで酔うのは、なぁ。」



周りの目があるし、なんて言えば案外真面目なんだな、ユメて。なんて言ってくる平助。

ちょっと失礼じゃねぇの??



「酔いつぶれたとことか町の皆に見られたくないしー」


「しかしユメは酔いつぶれるなんてこと無いに等しいだろう」

「まぁそうなんだけどねぇ」


「どうしたらそんな強靭な体持てんだよ・・・」



俺なんてすぐ酔っ払っちゃうから今日も呑むの我慢してる、とかいう平助。

一はいつもどおり酔わない程度に呑んでいるらしい。



「桜餅!」

「おぉ、ユメのために一君ととっといたんだから感謝しろよー」


「まじか!?ありがとな二人とも!」

「一君が朝から作ってたんだって!一君なんでもできるからいーよなー。」


「え、これ一君の手作り?うわっうまっ!!」

「千鶴が手伝ってくれたからだろう。俺一人では出来なかった。」


「そうなのかー。でもすげぇじゃん二人とも。いつでも嫁に行けるな!」


「俺は嫁には行かないからな。」

「えーじゃぁ俺の嫁になってくれよ。」

「・・・・・・」


「え、そこ考えるの、一君!」

「・・・っ、なるわけないだろう・・・!」


「ちょっと照れてる。かわいーな、一クン。」

「、ユメ!」

「一君が怒った!」



あとは頼んだ平助!って言いながらユメは桜餅を銜えて左之さんたちのところに逃げてった。

え、嘘でしょ!?なんでこの状況で一君と二人きりにさせられんの!?


さっきまですっごい平和だったのに一瞬で嵐に遭ってめちゃくちゃにされた気分だし!

って言うか俺ただの巻き添えじゃん!と言うより寧ろ流れ弾だよ完全に!



「なんか俺っていっつも損な役割な気がするんだよねー」

「・・・・・」

「一君?」

「・・・・・なんだ」


「あの、さ・・・一瞬満更じゃないかもって思ったっしょ」

「なんのことだ」

「ほら、ユメの嫁になるとかならないとか・・・」

「・・・・・」

「(ず、図星・・?)」


「相当な覚悟があって言ってるんだろうな、平助。」

「ちょ、一君!?」



なんで刀抜いてるの?え、ちょっと意味わかんないんだけど!

話し聞こうよ一君!冷静になって!あれ、顔赤くない?え、まさかまた照れてぎゃぁぁあああ!!
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ