短編小説@
□姿無き訪問者
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私は楓(かえで)といいます。
あの日、私はいつもの様に5時から8時30分までバイトをして帰る途中でした。
いつもはどこへも寄らずマンションに帰るのですが、その日はバイト先の近くのコンビニエンスストアで飲み物を買って帰りました。
買い物を終えてふと時計を見ると9時くらいでした。
やばい。もうこんな時間?早く帰らなければ・・・。
そう思いながらいつもより少し早めに歩いていました。
アルバイトしている場所からマンションまでは10分くらいの距離なので、すぐに着くことは分かっていました。
しかし、何故かその日はとにかく早くマンションへ帰りたかったのです。
あと少しでマンションに着く頃、私はふと気が付いたことがありました。
コツコツコツ・・・。
その様な音が聞こえたので、一度立ち止まって後ろを振り返ってみました。
けれども、そこには誰もいませんでした。