短編小説A

□夢幻
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朝比奈遼平、17歳。名門白鳳学園のテニス部の部長であり、生徒会長でもある。
その遼平には内緒の恋人がいた。

その恋人とは、白鳳学園のアイドル藤原遥である。遥は帰国子女でテニス部の一年ルーキー。入学してから間もなく白鳳学園のアイドルと化していた。
そんな二人に憧れ告白する者はたくさんいた。だが、遥が選んだのは遼平であり、遼平も遥を選んだ。
付き合いだしてから特に何の問題もなく、仲睦まじく過ごしていた。


そんなある日、悪夢は襲い掛かってきた。


その日、遼平は久しぶりの休みを二人でゆっくり過ごすために遥を家に呼んだ。


ピンポーン。


玄関のインターホンが鳴った。
遼平は遥が来たと思い出ていくが、そこにいたのは遥ではなかった。

「相田か・・・。こんなところまで来てどうしたんだ?」

その女は白鳳学園の副生徒会長だった。

「テニス部は休みだって聞いたからチャンスかな?と思って。」
「チャンス?・・・何の事だ?」
「もちろん、朝比奈君をデートに誘うチャンスよ。」
「・・・それは・・・。」
「そうよ、朝比奈君の思ってるとおり、私貴方の事が好きなの。」

遼平の目を真直ぐに見て言う。



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