学園戦闘記

□風紀を律すもの・序
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「委員長、疲れてます?」

不意に声をかけられる。
凝視していた書類から、声をかけた女子生徒に目を移した。

「委員長ってぇ、疲れてると目が細くなるんですよ」
そう言うとにこりと笑った。
八重歯が目立つ。

「そんなに分かりやすいか…?」
瞼をこすってみたが、自分では分からない。


と、

「い、い、委員長ぉー!!」


廊下で多数の足音と叫び声が響いた。

勢いよく準備室の戸が吹っ飛ぶ。


息を切らして教室に入ったのは、一人の男子生徒。

その後ろでは、大勢のその他の男子生徒が騒いでいる。
ちなみに、彼らの服装や髪型は、校則に違反していない、
とは到底いえない。

叫んだ男子生徒も例外でないが…


「なぁに?どうしたのさ、ろっくん」

「呑気にしてる場合じゃねぇよっ!!おめぇ副委員長だろっ、ゆづき!ってか、ろっくんってよぶなっ」

ロクの反応を見て
ゆずきは満足気ににゃははと笑った。


ろっくん…もとい陸(ロク)は余力をツッコミに使い果たしてしまい、その場にたおれこんでしまった。


「ロク」

「委員長ぉ…」

うぐぐ、と余力の余力をつかい
顔をあげた。

「“飛空族”のやつが…屋上で暴れてやがるんです…
どうか、風紀委員の力で、学校に…平和を……」ガクッ


「ロクっ!!













教室の戸だけは直せ!」



…とは言わなかった。
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