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□064 欲しがり
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馴染みの顔に挨拶して雨乾堂へ戻ってくると、浮竹さんが立っていた。
俺の顔を見ると軽く片手をあげてにっこり笑う。



「良かった。今一護を探しに行こうかと思ってたところなんだ」

オヤジ、なんていう言葉のどこかしおれたイメージとはかけはなれた爽やかな笑顔だ。

「そっか、行き違いになんなくて良かった」

探しに来てもらえるのは正直嬉しいけど、時間もったいないし、とか言いながら、勝手知ったる部屋の座布団を引いて茉莉茶をいれた。






「なあ、またあの話してよ」

「どれかな」

「えっと、はじめて卍解した時のやつ!」

「いいよ。俺と京楽はどちらが先に到達するか競争していてね…」



同じ話をねだっても、少しもはしょらずゆったり話してくれる浮竹さん。

こういうとこも好きなんだよな、なんて思いながら俺はすっかり満足していた。
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