TEXT

□これから僕等は分れ道につくけれど
1ページ/2ページ

燃え盛る炎の中で白龍の逆鱗を手に入れた私は、初めて己の意志で時空を飛んだ






眩しい光と清涼な空気
煩いくらいの蝉の声がする



ここは―かつて通り過ぎた場所。
熊野だ。


「目が覚めたか」

低く優しい、何よりも待ち望んだ声

いつもと変わらないまま起こしに来てくれた先生に、たまらず抱きついた
一度失った体温も匂いも何もかもが懐かしすぎて、どうしようもなくなってしまった

先生は泣き出してしまった私に微かに驚いた顔をしても、「どうした」とは問わなかった

小さい子にするみたいに優しい手付きで髪をなぜられる
そのまま背中をぽんぽん叩かれて、ようやく泣きやんだ


「生きてる…」

小さなつぶやきを拾った先生は、何かを悟ったように一瞬だけ痛そうな顔をした


「先生。私、今度こそ守ってみせます」


全ての人を守りたいなんて考えてるわけじゃない
ただ大切な人達を守れたらいい
幸せにしてあげたい
幸せになりたい、みんなで

意味不明な筈の私の言葉に、先生は息を飲むほど真剣な目で頷いてくれた


「神子…お前の望むままに」

この時。
全てを知ったつもりでいた私は、まだ知らなかった



その言葉の本当の意味も

その言葉にどれ程の覚悟が込められていたのかも
次へ


[戻る]
[TOPへ]
声優学校の選び方
有名講師のいる学校!


[無料HP作成]

(C)フォレストページ