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□悲しいんじゃないよ、悔しいんだ
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「先輩、あいつと何喋ってたんですか?」
穏やかな言葉と表情とは裏腹に、そこしれない瞳の陰りがそれを裏切る。
「もしかしてあいつのこと好きになった?」
とりあえず年上をあいつ呼ばわりしていることはおいておくとして、俺は眉間に力を入れて睨んだ。
目は決してそらさない。
「違うに決まってんだろ」
じっと高階が俺を見定めるように目を細くする。
わずかの間見つめ合い、負けたのも高階だった。
視線を落として、見るからに意気消沈する。
「ごめんね。先輩…」
そつがないように見せかけて、常に不安定で。
その闇に触れるたび、胸が痛くなる。
結局は何度言葉で言っても信じられないのだ。
今まで歩まされてきた道のり故に。
いつも不安そうに、こちらを伺ってること、知ってる。
そのたびに理不尽にこいつを痛めつけてきた全てが憎くて、ちっぽけな自分が悔しくなる。
「ごめんね…」
何も言わないでいると、高階が繰り返した。
(なんでこいつは何も悪くないくせに謝るんだ)
思いつく限りの罵詈雑言を並べてやりかったけど、
それよりも気持ちが伝わる気がして。
ガチン!と歯があたる口付けにしておいた。