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□083 そんな夢を、見た
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走る、走る、走る!
誰もいない街中を、真琴は全力疾走している。
走って、走って、走って!
どんなに走っても見つからない。
走れ、走れ、走れ!
たどり着けない。
走らなきゃ!
わかってる。…走ってもあの人はどこにもいない。
(千昭!)
ただ一人の名前を呼びながら、がむしゃらに走り続ける夢をもう何度見ただろう。
泣きながら、何度一人で朝を向かえたことか。
ふと、真琴は目を開けた。
薄暗い部屋の中、カーテンの隙間から差し込む月の光でおぼろ気に時刻を推測する。
まだ眠りについてからそれほど経っていないようだった。
すぐに闇の中、目を凝らして隣にいる存在を探す。
すると、そのかすかな身じろぎと共に真琴の頬を夢の名残がぽろりと一粒だけ伝った。
(良かったぁ…。ちゃんと、いる)
ほっと静かに息をついて。
気持ち良さそうに寝息をたてているこの部屋の主を、真琴は愛しそうに見つめた。
こうして夜に時々、真琴は目を覚ましてしまう。
また一緒にいるのがまだ信じられなくて。
千昭は未来から戻ってきて、ずっと一緒にいると言ってくれた。
そして目の前にいるのに。
幸せ過ぎて不安になるのだ。