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□089 夢からさめた朝
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「まーことっ」
「なに?」
振り返ったとたん、ぶにっと人差し指がほっぺたに当たった。
「はははははっだっせー。」
「なっ!?」
「今どきこんなのに引っ掛かるの真琴くらいだぜ?」
「なにを〜?」
飛びかかってやろうかと身構えた瞬間、千昭が前を指差した。
「それよりもお前、ちゃんと前見て歩けよ」
「あ…」
見ると、あと一歩で壁にぶち当たるところだった。
真琴には一つのことに夢中になると周りが見えなくなるという悪いクセがある。
また考えながら歩いていたようだ。
「…ありがとう」
ぼんやりしてんなよ、と千昭は少しだけ心配そうな声で言うから。
真琴は素直にお礼を伝えられた。
「俺がいないとダメだもんなー。真琴ちゃんは」
余計な一言を言わずにいられないのか。
茶化した千昭が、ガシガシと真琴の髪をかきまぜる。
「そんなわけないでしょーが!」
真っ赤になって膨んだ頬で真琴が抗議した。
そうしたら、ふっと真面目な顔になった千昭が笑った。
「だよな。俺がいなくてもしっかりしろよ」
「ちあき…」
夢の中で目を見開いたのと同時に目が覚めた。