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□青い溜息
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八日目の蝉が啼く。
わたしは貴方の友達でも家族でも、ましてや赤の他人ですらありません。
けれど最期の時には貴方の傍にいたいのです。
それが叶わぬのならどうかせめて。
最期に貴方の瞼の裏にわたしが映りますよう…。







窓の外からは唸るように蝉の声が聞こえてくる。
蝉は一週間でこの世での生を終える。
儚い命の彼らなのに。この力強は圧倒されるな、と浮竹は思った。
「七歳眠りて、よに出ずる…か」
「十四郎さん何か言った?」
「いや、昔の唄だよ。俺はさ、命果てる最期の一声まで、精一杯力の全てを注いで鳴く、そんな蝉が少し羨ましいんだ」
そんな生き方ができたらいい。
そう言った浮竹に、ふ〜ん、と一護は生返事を返した。
彼が刀の手入れをしている時はいつもこんな感じだ。
常のとおり、眉間には力が入っていて、それが不機嫌からくるものではないともう浮竹は知っている。
自分のどんなに小さな声も一護が拾ってくれることも。
それでも、まあ、せっかく一緒にいるのだから、ちょっかいをかけたくてたまらないのが本音だったりするわけで。
「一護!おいで」
語尾にハートが飛んでいた、と後に一護は語っている。
あぐらをかいた浮竹が、ぽんぽんと自分の膝をたたいた。
うろんげな顔で刀を横に置き、そろそろと寄ってきた一護をすかさず捉える。
特に抵抗もなくぽすりと一護は、一回り大きな体に包まれた。
最初は野良猫よろしく、なかなか浮竹のスキンシップに慣れない一護だったのだが、近頃はこうやって抱きしめても背中に腕を回してくれる。
たまには一護から口付けをしてくれることだって、ある。
ああ、本当にかわいい、浮竹は目を細めて腕の中の存在をみた。
眉間の皺が常よりも深くなっている一護は、少しだけ頬を染めていた。
「まったく十四郎さんは、」
突然なのは参るけど、それを許しちゃう俺も俺だよなあ。
はあ〜〜っ、とでかい溜め息をつかれてしまい、浮竹は苦笑しながら一護を膝の上に乗せた。
「溜め息つくと幸せがにげるぞ?」
「今十分幸せだから大丈…」
いきなり、ぎゅ〜っと抱きしめられた一護は慣れたもので、べしっと浮竹のおでこをはたいた。
「痛いな」
全然痛そうな顔をしていない浮竹は、くすぐったく笑った。
「苦しいから。力入れすぎですっていつも言ってるだろ」
気にしたようすもなく一護も言った。
暖かい浮竹の笑顔とは裏腹に、触れ合った彼の体が少し冷たくて、一護はそっと息を吐いた。
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