ようやく恋心を自覚した真琴と。 よ〜うやく未来から戻ってきた千昭の。 よ〜〜うやく結ばれた素直じゃない二人のお話。 「たくっ、また喧嘩したのかよ」 「うぅ…だって千昭が」 ようやく両思いになっても二人は相変わらず。 ケンカするたびに巻き込まれる功介はうんざりした溜め息をついた。 「パーっと謝っちまえ。そのためにせっかく綺麗なカッコしてきたんだろ?」 千昭も俺が呼んどいたから、と頼りになる功介は兄のように笑った。 「うん」 なかなか仲直りできずにしょんぼりしていた姉をみかねて、妹の美雪がみたててくれた、白いコットンのワンピース。 茶のサテンのリボンで縁取りされたそれは、すらりと伸びた手足と少し日に焼けた真琴に文句なく似合っていた。 (足がスースーして落ち着かないけど、仲直りするためなら!) 真琴は真っ直ぐに功介を見上げた。 「ありがと。頑張るね!」 「おー。その調子」 功介も安心したように真琴の頭をぽんぽんと撫でて励ました。 「そういえば今回はなんでケンカしたんだ?」 あたしもよくわかんないんだけどさー、と真琴が言うよりも早く、「真琴」と呼ぶ明瞭な声が遮った。 「千昭…!」 ぶっちょうづらした恋人が、速足であっという間に近づいてきて。 「来い」 有無を言わせず真琴の腕を強く引いた。 (うわあ、まだ全然怒ってるよー) 頭の上には功介の優しい手のひらが置かれていたというのに、それを振りきるような乱暴さで、千昭は痛いくらい腕を引く。 「ちょっあっ」 肩越しに振り替えると、功介は「いいから行け」と手を振るジェスチャーをしていた。 ごめんね、と思ったけれど、千昭の手を振り払う気は少しもなくて、だからこそますます申し訳なかった。 「やれやれ…ご馳走さん」 一人残された功介はなんとなく千昭の態度の理由が分かって、鈍い恋人を持つ親友に苦笑した。 |