小説
□夏色4
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あぁ・・・
今日もいい天気だなぁ・・・
夏真っ盛りだなぁ・・・
晴れの日嫌いだけど、夏だもん、しょうがないよなぁ・・・
さてと、牛タンも食べたし、帰るか・・・
僕はカウンター席を立つと、ゆっくりと出口の方へと向かった。
「どこ行くんだよ」
ガッ、と肩に羽蝶の手が掛かる。
「今から支部長がメンバーを紹介してくれるんだぞ?」
「いや、いいよ・・・」
僕は思い切り嫌そうな顔をした。
「なんで?」
羽蝶の質問に他の人に聞かれないよう、小声で喋る。
「・・・なんか変じゃん。支部長定食屋の店長だし、ここにいる人もこの流れだとろくな人いなさそうだし・・・」
「ひどいですねぇ・・・」
「うおっ!!」
いつの間にか僕の後ろに立ってた支部長が声を上げる。
「その言い方だと、まるで私が変みたいじゃないですか?」
「いや、変みたいじゃなくて、変だって言ってるんですけど・・・」
「あ、ならいいです」
「いいのかよ!?」
「じゃあさっそく、天使狩りのメンバーを紹介しますね」
ニコニコしながら先ほどの続きを始めようとしていた。
やっぱり、この支部長、ボケか・・・
「・・・ところで君、誰です?」
そういえば、といった感じに聞いてくる。
「羽蝶くんの、コレですか?」
と言って、小指を立てる。
「んなわけ・・・「そうです」
僕が否定する前に、羽蝶が肯定の返事をした。
「あほか!!てめえ!羽蝶!!なに気色悪いこと言ってんだ!!」
「そうですか〜。いいですね〜。青春ですね〜。」
「だから、違う!!」
つーか、僕はどっからどう見ても男だろ!?
人の話は聞かないし、やっぱりこの人、変だ!
「ちょっと、支部長!!」
バンっと、テーブルを叩いて、天使狩りのメンバーの一人が立ち上がった。
年は十代後半といったところだろうか・・・
綺麗な顔立ちと、肩より長い黒い髪の女性。
眼鏡を掛けたその姿は、まさに知的美人だった。
その人がこちらへ近づいてくる。
なんかまともそうな人だし、このふざけた状況をなんとかしてくれるのか?