三千年ストーキングするのは純愛

□怒り、迷い、後悔
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マリウスがデュエリストキングダムで瀬人のフリを始める数時間前、本物の海馬瀬人は本邸の前の並木道で苦い顔をしていた

豪奢な門の前には厳つい顔の男たち、恐らく中にも居るのだろう

弟とマリウスとの場所を土足で汚されたと思うと腸が煮えくり返るようであったが、その原因を作ったのは自分であり、行き場のない思いが交錯する

ポケットの中から銀色の小さな犬笛を取り出し、それを寄越した過保護な執事を思う

「ヤツが居ながら、何故こんな事に………」

これを吹いて呼び出し、問い詰めたくもあったが、瀬人はこの旅ではマリウスには頼らない、と決めていた
そして海馬瀬人という男は、妙なところで頑固なのだった
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