書庫室のとなり
□それは終わりから始まりへ
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そう楽しい日々がずっと続くと思っていた……だがその日々の終わりを告げるのは思っていたよりもずっと早かった
あれから数年の歳月が経ちその関係は少しばかり変化していた
ナハトはルフェルの護衛役として従う事になりリヒトもフェアローレンの補佐役として従っていた
だが、それでもあの時と変わらぬ日々を過ごしていた
「綺麗な花畑ね、ナハトもそう思わない?」
「うん、綺麗だね♪」
辺り一面に広がる花畑にルフェルとナハトはいた
「フェアローレンも酷いわねぇ…私を連れて行ってくれないんだもの」
「ルー……長の娘って自覚あんの?」
「あら?あるわよ?だから護衛にナハトを選んだし大人しくしてるじゃない」
その様子に呆れるナハトにルフェルは頬を膨らませ少し拗ねた様子をみせた
「やっぱ自覚ないでしょ」
「危険だから長の娘の私を連れて行けないんでしょ?」
「………」
「長は娘だから少しでも危険がある場所へは行けない…行っては行けないなんて…父様も酷いわよね?」
「……ルー」
「世話係の人はナハトがそう呼ぶの凄く厳しく注意するでしょ?私が好きに呼んで良いって言ったのにね」
「だから俺はルーって呼んでるじゃん?周りから説教うけてもさ?」
自分が如何に尊い地位にいるかを理解して自由に見えて不自由な生活を憂いていたが……
「うふふ、そうね………それに、フェアローレンは必ず私の所に来てくれるから私は幸せよ?」
「……そっか」
「ほら♪花冠を編みましょ?私とナハト……もちろんフェアローレンとリヒトの分もね」
「うん」
ルフェルは幸せそうに笑い皆の分の花冠を作ろうとナハトに呼び掛けてナハトもそれに答えようとした瞬間……
「っ!!だれだ!?」
殺気を感じ取り振り返った瞬間にその両の瞳は斬り潰された
「グハッ…ア゛ァァ!?」
瞳を抑え苦しむナハトに更に蹴りが入れられそのまま飛ばされて花畑を荒らす
「ナハト!?」
ソレに気付いたルフェルは駆けつけようとしたが……
「あナたには悲壮なル死を上げマショうカ?」
「あっ!」
その人影にルフェルの髪は引っ張られるがその瞬間
「ルーに……ルフェルに触るなぁ!!」
瞳を潰されて数多の傷を負いながらもその髪を掴んだ腕を斬り落としてルフェルを庇うナハト
「ナハト!」
「ぐあっ!ア゛ぁぁ」
しかし敵は不自由になった瞳で勝てる程、甘くは無くその身に新たに深い傷が刻まれていく
「やめて!ナハトを殺さないで!?」
「ならバ、あナたの命と引キかえに彼を助けテあげヨウ」
「えっ…あなたは……っ!!」
そう叫んだ瞬間にルフェルの背後にその人影いてその人影を見てルフェルは驚愕した
(……ナハト…リヒト………そして最後に…貴方に逢いたかったわ……フェアローレン)
ルフェルの意識は永遠に闇に閉ざされた