書庫室のとなり
□それは終わりから始まりへ
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今の時代より千年も前の出来事……
天の長の最高傑作と謡われるのはフェアローレン……
「ふん……他愛のない」
「ふふっ……フェアローレンは相変わらずね」
「………いつからそこにいた?ルフェル」
仕事を終えたフェアローレンに声をかけたのは天の長の娘・ルフェル
「ついさっきよ?フェアローレン」
「一人で来たのか?」
「俺もいるよフェア〜♪」
「私もいます」
「お前等かリヒトにナハト」
「ええ…一人じゃダメだってついて来てくれたのよ」
ルフェルの後ろから良く似た顔立ちの二人が姿を表す
「まぁ、お前等がいるなら心配は無用か……」
「クスクス…フェアローレンはリヒトとナハトの事を信頼してるのね」
「ふん、己の部下を信用しなくてどうする?」
「わ〜い♪フェア大好き〜」
「コラ!ナハト!!」
ナハトがフェアローレンに抱きつくとリヒトがたしなめた
「ナハト…リヒト…お前等は私の大切な部下だ……己の役割を忘れずに勤めろ」
「はい、フェアローレン様」
「うん、フェア」
ナハトとリヒトをその腕に抱き上げて二人の顔を見やり己の役割を諭す
「ねぇ?前から気になってたんだけど二人の役割ってなんなの?」
ルフェルの質問に二人を姿勢を直しながら答える
「俺はフェアの刃となり敵を滅する」
「私はフェアローレン様の盾となり攻撃を防ぐ」
「「我らはフェアローレンの忠実なる部下である事が存在理由です」」
「フェアローレンはモテモテね?」
「二人の誓いを茶化すなルフェル」
二人の誓いを微笑ましいと言わんばかりにクスクスとルフェルは言う
「だって私には可愛くて強いナイトがついて無いもの」
「ルーを守るのも俺の仕事だよ?」
「そうですよ?フェアローレン様に従いルフェル様をお守りするのも私達の存在理由です」
「えっ?本当に?」
「「うん」」
リヒトとナハトは笑いながらルフェルにも誓いをたてていたが…
「私ではナイトになれないのか?ルフェル」
「っ//!!フェアローレンの意地悪!」
顔を紅くしながら前に駆け出すルフェルを笑みを浮かべゆっくりとリヒトとナハトを抱えたまま追うフェアローレン