書庫室のとなり
□それは新たなる旅立ちへ
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一族の者が全てその間に納まる程の大部屋で継承の義は着々と進んでいく
それが破滅への序章とは誰も気付く筈がなかった……
禁忌とされてる『鬼子』が紛れてるのも気付いてすらいないのだから
「ではユキカゼ、前に来なさい」
「はい」
「コレからはこのユキカゼが我が一族をまとめるのだ」
「コレから一族の当主として立つユキカゼと申します……そして…………最後の当主として皆に伝えます……さよならです」
「何をいって…「ギャアアぁ」なっ!」
言葉を遮り悲鳴をあげられた方を見やるとソコには『鬼子』の修羅が一人
「クス♪」
「ヒュ…ウガ?な…ぜ…此処に……」
「あなたも私達にいらない……用済みなんですよ父上」
ドシャと鈍い音を奏でて倒した父を見下し楽しげに他の者を斬り捨てていくヒュウガに微笑みを向ける
「我慢した分、たくさん楽しみなさい?ヒュウガ…」
「アッハハ♪楽しいね?」
「グッああァ」
「キャァアア」
「たすっ……」
「くくっ……なかなかのハーモニーが奏でられてるではないか」
阿鼻叫喚とも言える中で一人だけその地獄絵図とも言えるその姿を……その声を聞き優雅に微笑むアヤナミはその空間を作り出している二人の『修羅の化身』を見る
「ねぇ?もう少し抵抗してよ?楽しめないじゃん」
「…このクソガキ共が……やはり殺すべきだったんだよ」
「あれ?生き残ってたの?アンタは楽しめるかな〜♪」
笑いながら一族の者を斬り捨てていけばあの時に地下牢に現れた男がヒュウガに立ちはだかる