Mixed Blessing Treasure

□episode - 2 -
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「・・はぁ・・」

「いい加減その鬱陶しい溜息やめなよ」

「うぅ;だってぇ・・」


一件より2週間が経ち彼等《 イエミツ海賊団 》

(センスの無い名前だが、オレの名前じゃなきゃヤダッ!と
 お頭がダダをこね、譲らなかった)は

カリブ海に浮かぶある島へと向かっていた。

あの件で頭を失ったイエミツ海賊団は
彼の一人娘であるツナを今は首領とし、航海を続けている。


「俺に海賊の首領なんて無理ですよぉ・・・
 頭も悪いし、運動神経も度胸もないし
 怖いのも痛いのも嫌いだし、それに女だし・・」


ツナは琥珀色の瞳をうるうると潤ませた。


「そんなことありません!」


声をあげたのはグレー髪の美丈夫の隼人だ。


「キャプテンにふさわしいのはツナさんをおいていません!」


隼人はツナの両肩を掴み真剣な眼差しでツナを見つめた。


「はやと・・・」


(か、可愛いぃぃぃ!!!!!///////)


「あはは。そう心配すんなって」


長身の男は人好きのする笑顔で、隼人の手を叩き落した。



「てめぇ!何しやがる!!」

「うるさいのな〜」

「何だと!」

「ツナぁ」


男は隼人を無視しツナの肩に手を置くと屈み、琥珀色の瞳と視線を合わせ


「ツナは今まで通りでいいんだって。
 俺がちゃんと守ってやるから。な?」


ニッコリと微笑んだ。


「武・・・」


そのまま抱き寄せようとした武は、頭上からの気配に一歩退いた


「き、恭弥?」


前髪だけを長めに残した黒髪に同色の切れ長の眼。
隼人とは違った美人顔の男は、背後からツナの腰に片腕を回し
もう一方で彼の武器であるトンファーを武へと突きつけ睨んだ。


「僕のツナに触らないで」

「ツナはお前のじゃないのな〜」

「恭弥!ツナさんを離せ!」

「うるさいよ駄犬」

「んだとてめぇ!」


隼人がダイナマイトを取り出した。



「は、はやと!?ここ船だから!沈んじゃうから!!」


オロオロと慌てるツナの耳に独特の声が聞えた。


「クフフフ、全く毎日毎日飽きもせずに。
 これだから海賊はバカでイヤなんですよ」


いや、俺も海賊なんだけど・・


心中でツッコミ、それよりも!と骸へと振り返る


「骸!隼人を止めて!!」


骸と呼ばれた長身の男は青と赤のオッドアイでツナを見つめると
綺麗な顔に優しい笑みを浮かべた。


「クフフフ、いいですよ、ツナさん。
 でも出来れば、『お願いv』って、こう首を傾げて グッ」

「気持ち悪いんだよ。ナポー」


恭弥のトンファーが骸の大切なヘタ(?)を直撃した。


「恭弥、人が話している時に攻撃とは本当に失礼な男ですね」

「腐ったヘタを取ってやろうとしただけだよ」

「だったら貴方も唐揚げにしてあげましょうか」

「やれるものならやってみなよ」


骸の手に三又槍が握られると恭弥がツナを背後に下がらせトンファーを構えた。


「ちょ、ちょっと二人とも;;;」

「しょうがないのな〜」

「武!・・・・・・・・えっ!?」


二人を止めてくれるのかと期待したものの、その笑顔とは違い、好戦的に光る眼。

ツナの背に冷たい汗が流れた。



「あ、あの・・;;」

「果てろー!!」

「うわぁぁぁぁあ!!!!」




このあと、船は言うまでもなく半壊し命からがら島へと到着した一行。



もちろん船を壊した4人は、ツナによって船から吊るされ
サメの餌になりかける。というお仕置きを受けた。


to be ...

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