Mixed Blessing Treasure
□episode - 5 -
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「あの、さっきはありがとうございました」
格子を挟み立つ男に、ツナはペコリと頭を下げた
「別に。昼寝の邪魔だったから静かにさせただけだぞ」
男が格子に肩を凭れ掛け僅かに首を傾げると
艶やかな黒髪の一筋がさらりと落ちた。
高い鼻梁に切れ長の黒曜石は鋭くも妖しく
身長は高くしなやかなで均整の取れた肢体
--恭弥達も綺麗だけど、こんな綺麗な人もいるんだぁ
ツナの心中の呟きに男は口元を微かに緩めた
それを見逃さなかった恭弥が眉を寄せ男へと声をかけた
「ねぇ、君は何でこんな所に入ってるの?」
男は問い掛けられ恭弥達を見た。
--貴族の形(なり)をしているが、どうにも匂いがそれじゃねぇ。
入って来た時の様子から何かを探してたのは確かだ。
なんだ?誰を探してる?何が必要だ?
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