Mixed Blessing Treasure

□ episode - 9 -
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「アルコバレーノ」


そう言い綺麗な琥珀色は漆黒の双眸を見つめた。







飛び交う銃弾を避けながら2人は島の中心へと入った。

先程降り立った港よりも酷い惨状の中心地。

この戦火の中で島主を探し出すのは容易な事では無く
実際、彼が生きているのかさえ疑わしい現状にツナは言葉を失った。

瞳に映した有様に放心状態のツナを見下ろし、リボーンは未だ繋いだままの手を強く握った。


「こっちだ」


片手に愛銃を握り辺りを警戒しながら素早くツナの手を引き半壊した建物の中へと入る。
瓦礫の隙間に身を屈め、鋭い双眸を周囲に巡らせ様子を伺う。

幸いにも人の気配が無い事にふっと肩の力を抜くと、胸元に揺れる蜂蜜色を撫でた。


「大丈夫か」

「う、うん」


走ったせいで未だ息が整わないツナは顔をあげると、眉尻を下げ無理に笑みを浮かべた。
僅かに震える細い身体。彼女が思っていた以上の惨状。安否の分からない島主。

恐らく今彼女の中には不安と恐怖が入り混じり、当初の目的など頭の中からすっぽり抜け落ちているであろう。
そう判断し、リボーンは敢えてそれを問い掛けた。


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