Mixed Blessing Treasure
□episode - 1 -
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赤煉瓦の壁が濃く色付き明りが燈り始めたのを合図に、街は一層賑わい始めた。
市場では果物や魚を手にした店主達の声が響き
酒場からは陽気な音楽と歌声が聞こえる。
ドレスの裾を翻し道行く男に視線をおくる女達。
1人の女と眼が合うと、女は赤い唇を緩ませ艶やかな微笑を魅せる。
少女は頬を赤く染め視線を逸らすと足早にその場を通り過ぎた。
このような女達に会うのは初めてではないが、どうにも慣れない。
肩を窄め小柄な体をより小さくし、雑踏の中をすり抜けていく。
ようやく街の出口の証である、今は開かれた門の前に辿り着いた。
ホッと肩で息をつき1歩踏み出そうとし外に見慣れた顔を見つけた。
一人は肩ほどに伸びたグレーの髪に碧の瞳に人目を惹く綺麗な顔立ちの男。
もう1人は、黒い短髪に同色の眼。東洋人らしき容貌の背の高い男前だ。
馬に跨り何やら話をしている2人。青年の手には無人の馬の手綱が握られている。
2人が こちらに気づいた様子に少女は手を振ろうと片手を上げかけた瞬間。
黒髪の男が少女に向かって叫んだ。
「ツナ!親父さんが捕まった!」
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