Mixed Blessing Treasure

□episode - 5 -
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「あの」


遠慮気に掛けられた小さな声に、男は小首を傾げた。


「なんだ?」

「あ「ツナ」」


恭弥の低い声が言葉を遮る。


「?恭弥?」


骸は訝るツナの肩を引き寄せ、恭弥は声に応える事無く格子へと近づいた。


「何を企んでいるの」


僅かながら明らかに殺気を匂わせる恭弥に臆する事無く


「そっちこそどうなんだ?」


男は口端をあげた。


応えが返るのを待つでも無く、格子から身体を離すと


「さて、話は此処までだぞ」


男は奥へ戻ろうと背を向ける。
自分達の欲しい情報について、まだ何も確認が出来ていない事にツナが慌てて声を掛けた。


「あの!」


声に足が止まる。男は振り返らずに



「これ以上の話は俺を買ってからだぞ」

「えっ!?買うんですか?」



隼人が小さく舌打ちし、骸が顔を顰める。



「ここは奴隷市場だからな。どんな理由があろうと誰だろうと
 金を出さないと何も手に入れられねぇ」



男は身体を反転させると艶やかな笑みを口元に浮かべ



「ちなみに、俺は人気者だぞ。頑張って競り落としてくれよ。amore」



そう言うと男は再び彼等に背を向けた。





唖然とするツナの後ろでは男達が額に青筋を浮かべ殺気立っている



「さっきの人、最後に何て言ったの?」



殺気立つ男達に、ツナは首を傾げ訊ねた。

四人の男達はじっとツナを見つめると、それはそれは綺麗な笑顔を見せ


「「ツナさんは」」
「君は」
「ツナは」


「「「「知らなくていい(です、んだよ、のな〜)」」」」


「・・・;;;」



久々に見る部下達の凄艶な笑みにツナは戦慄した。

to be ...
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