Mixed Blessing Treasure

□ episode - 9 -
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「ああ、何でもねぇよ。今の話だが」

「うん?」

「本当にそれだけでいいのか?」

「何が?」

「アルコバレーノだぞ?その宝石の力を知らない訳じゃないだろ?」

「ああ、アルコバレーノが手にあれば世界を手に入れる事も出来る、ってアレね」


リボーンは小さく頷いた。

ボンゴレ国。世界の果てに在ると噂される伝説の国。
その国に在るとされる秘宝アルコバレーノ。
それを手にすれば、名誉、力、富に及ばず世界をも容易く手中に出来るという七色の宝石。

嘗て多くの者が其れを望み1人として望み叶わず。

その長い歳月を巡り何時しか伝説は御伽噺へと変わり、今は子供に語られる夢物語となっていた。



「所詮、御伽噺だからか?」

「ううん、そうじゃない。確かにボンゴレもアルコバレーノも存在しないのかも知れないけど、
 でも、もし本当にあったとしても俺はその力を使うつもりはないよ」

「世界が手に入るんだぞ?」

「いらないよ、世界なんて」


ツナが無邪気に笑う。

リボーンはその笑顔の眩しさに瞳を伏せた。


見たいと言った。七色の輝きを。

世界中の邪欲が欲し手を伸ばした秘宝。

けれどこの小さな白い手は欲しようとはしない。


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