夢また夢
□ふれあい
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いつものように高遠が、ソファで優雅に読書をしていると視線を感じる。
またか…と高遠は思い、深いため息をついた。
「紅朱、キスがしたいんですか?」
「違う!」
「ああ。そういうことですか。セック「もっと違うわ!!」おや、違うんですか」
残念、という高遠だが、さして残念そうではなかった。
だが、紅朱にとっては、そんなことはどうでもよかった。
「今日はキスしたい訳じゃないの」
「では、どうしたんですか?」
「あのさ、高遠さんっていっつもわたしを触ってくるよね」
「えぇ。あなたを触るの好きですから」
と言って高遠は紅朱の頬を撫でる。
すると紅朱は、頬をぷくっと膨らませた。
「どうしたんですか?そんなフグみたいな顔をして」
「むぅ〜。高遠さんばっかりずるい!たまにはわたしも、高遠さんを触りたい!!」
「は?」
いつもの紅朱の突拍子のない発言に、毎度ながらキョトンとする高遠。
そんなのはお構いなしに、紅朱は高遠と向き合うような形で、彼の太腿の上に座った。
「たまには、いいよね?」
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