夢また夢
□微睡む
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ある日紅朱が、家に帰ると高遠がソファに横になって、すやすやと寝ていた。
「珍しいこともあるのね」
高遠は本を読みながら寝てしまったようだ。
「すぅ……、ん…」
珍しく寝入っているようだ。
紅朱が高遠に毛布を掛けても、目を覚まさない。
その時、高遠の読んでいた本のタイトルが目についた。
―完全他殺マニュアル―
(……うん。わたしは何も見てない)
紅朱は本を閉じ、視界に入らないようにしてから、高遠の傍に座り、寝顔を見つめる。
よほど疲れているのか、目覚める気配がない。
紅朱は高遠の髪を撫でた。
「ん……」
むず痒そうにするも、やっぱり起きない。
それどころか、紅朱を抱き寄せて膝に頭を乗せた。
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