夢また夢
□旅情
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「温泉にでも行きますか」
読んでいた本をパタン、と閉じて言った言葉がそれだった。
「突然どうしたの?」
高遠の唐突な発言にキョトンとする紅朱。
「たまには、息抜きも必要かと思いまして。どうですか?」
高遠は紅朱の頭を撫でながら尋ねた。
「いいの?」
「ええ」
紅朱が不安そうに聞くと、高遠はニコリと微笑み頷いた。
すると紅朱の目がキラキラと輝く。
「行く!!でも大丈夫なの?」
「何がですか?」
「いろいろと…」
「それはご心配なく。では3日後に出発しますから」
そうして決まった旅行であった。
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