夢また夢
□未遂?
1ページ/1ページ
高遠さんと一緒に遊戯場に閉じ込められてしまった。
そして、突然ビリヤード台に押し倒された。
「え?え?ちょ、高遠さん!?」
「せっかく二人きりなんですから、楽しまないと損ですよ」
「だ、ダメだって!こんなところで」
「いいじゃないですか。時間はたっぷりあることですし」
「ダメですって…!」
「問答無用」
「んっ…!」
押し倒されたまま、強引に唇を奪われた。
「誰かに見られたら、別の事件になりますって!」
「見られませんよ」
「いやいやいやいや…壁に耳あり、障子になんとかって言うじゃないですか」
「うるさいです」
「んっ!……んぅ…」
唇を重ねながら、高遠さんの指がブラウスのボタンに伸びてくる。
「ちょ、ちょっと」
「抵抗しても無駄ですよ」
無駄と言われても、はいそうですかと引き下がれないわたしは、ジタバタともがぎ、偶然にももがいた手が高遠さんの脇腹にあたってしまった。
「っ…!
くすぐりは反則ですよ」
「わざとじゃないですって…!」
「お返しです」
「反則じゃないんですか!?」
問答無用で、脇腹をくすぐられる。
「いやっ…やめ、て…そこ、は…」
ー…ごほん、
ドアの外から咳払いが聞こえて、わたしたちはパッと離れた。
「おい、高遠。ナニしてんだよ」
「盗み聞きですか?金田一君。それと七瀬さん」
高遠さんがピッキングでドアを開けると、呆れ顔の金田一君と頬っぺたを赤くした七瀬さんがいた。
「外まで聞こえてきたんだよ」
「そうですか。言っておきますが、疚しいことはしてませんよ。
……まだ」
「そうかよ」
「あの……高遠さん…」
遠慮がちに七瀬さんが高遠さんに声をかけた。
「なんですか?」
「…唇、テカってますよ?」
あ、わたしのグロスが高遠さんの唇についてた。
「……訂正します。若干シてました」
end-