夢また夢
□ちゅるんとゼリーはいかが?
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ゼリーをスプーンで掬うと、ぷるんと揺れる。
それを紅朱は嬉々として口に運ぶ。
「うーん!!おいしい♪」
そんな紅朱を高遠は微笑みながら見て、自分も一口ゼリーを食べる。
「ほどよく冷えていて美味しいですね」
もう一口ぱくり。
高遠がゼリーを食べていると、何やら視線を感じる。
「なんですか?」
高遠は紅朱に目を向けると物欲しそうな目で、高遠のゼリーを見つめていた。
「ミカンもおいしそうだなぁって」
「はぁ…一口、どうぞ」
ミカンの部分を掬って、紅朱に差し出した。
いわゆる、「あーん」というやつ。
「あー、ん…
やっぱりミカンもいいね」
「そうですか。
それはそうと、間接キスですね」
間接キス、の言葉を聞いて紅朱は顔を赤くした。
「か、間接キス…」
「またそんな可愛い反応をして、早く慣れてください。
ということで、あなたのゼリーを私にもください」
「え?」
「私がやったように、あーん、してください」
あー、と口を開けて待つ高遠。
「しょうがないなぁ…
はい、あーん」
「なぁ美雪、これが俗にいうバカップルってやつ?」
「そうねはじめちゃん。
これは典型的なバカップルね」
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