夢また夢
□添い寝
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紅朱は高遠の背中でへばっていた。
「……生きてますか?紅朱」
「うー…ぐらぐら…ぐるぐる…する……」
とあるパーティーに参加していた紅朱と高遠だったが、紅朱がお酒と人に酔ってしまい途中で抜け出し、ホテルの廊下を歩いていた。
始めは何とか自力で歩いていた紅朱だったが、どうにも足がおぼつかない様子を高遠が見兼ねておんぶをし、今の状態になる。
「部屋に戻ったら、水でも飲みますか?」
「……うん」
紅朱は高遠の肩にのせていた腕を首に巻きつけた。
「どうしまたした?」
「ううん。ただ、高遠さんの背中あったかいなぁって」
高遠のぬくもりに幸せを感じる紅朱は、その背中に顔をうずめた。
「そうですか」
「高遠さん、ありがとう」
そう言って首に回す腕の力を少し強める。
「……どういたしまして」
顔は見えないが、高遠の少し照れたような声がした。
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