夢また夢
□薔薇のしあわせ
2ページ/3ページ
それから紅朱も手伝い、二人で棘の手入れをしていた。
「ねぇ高遠さん?こんなにたくさんのバラどうするの?」
作業をしながら紅朱は高遠に訊ねてみた。
「ん?部屋にでも飾ろうかと思いまして」
「高遠さんにしては珍しい…けどステキね」
「そう言っていただけると幸いです。あとは、これをあなたに」
そう言って取り出したのは、白いバラのブーケだった。
紅朱は目を輝かせて喜んだ。
「ありがとう!高遠さん!!」
そんな紅朱を見て、高遠も笑っていた。
「どういたしまして。それと、もうひとつプレゼントがありますよ」
「え?なになに」
高遠は立ち上がり、あるところに向かって歩きだし紅朱に手招きをする。
「こちらです」
行くとそこはお風呂場だった。扉を開けると、湯船にバラの花が浮かんでいるのか目にはいった。
「これって…」
「バラ風呂です。花をたっぷり入れてみました」
「わぁ…はじめて見たけど、すごい良い香りがする」
紅朱は湯船に浮かぶバラの花をひとつ手に取った。
「紅朱、一緒に入りましょうか」
「うん!……ってあれ?高遠さんどうしたの?」
紅朱の意外な返事に、高遠はキョトンとしていた。
「あ、いえ。紅朱のことですから、てっきり断ると思っていたので」
「ふふ。たまにはいいかなぁって思って。あ、でもエッチなことはしないでよ?」
「善処はしましょう」
-